元プロレスラーの前田日明さんが2023年11月20日に公開したYouTube動画で、19日に開催された格闘技イベント「FIGHT CLUB」でKO負けを喫した総合格闘家・朝倉未来選手に言及した。
朝倉選手は、自身初となるキックボクシングルールで、FIGHT CLUBのプロデューサー・YA-MAN選手と対戦し、1ラウンド1分17秒で敗れた。試合後はインスタグラムやYouTubeなどで引退を示唆する発言をしている。
「いいところなしでやられちゃって」
前田さんは、朝倉選手が格闘家としてブレイクするきっかけになった格闘技大会「THE OUTSIDER」の主宰者で、同選手が「RIZIN」を主戦場とした後も、その戦いぶりを見守り続けている。
20日に公開した「朝倉未来がまさかのKO負け!前田日明からの激励の言葉」と題した動画で前田さんは、YA-MAN戦での朝倉選手について「いいところなしでやられちゃって」といい、「対策ができていなかったね。全体的に練習不足みたいな感じですね」「『早く決めてやれ』と思ってパンチが大振りになったのも、ちょっとダメだった。対策さえも立ててなかったんじゃないか」と分析した。
一方で、「素質はピカイチのものがあるんですよ。頭の良さというかね。アドバイスしたことを映像化して実際にその中で動かして、それをそのままできる、っていうね。そういうところがあるので」と朝倉選手を評価。その上で、「まだ引退だなんだっていうのは勿体ない。プロでやってると、こういう自分でもいたたまれなくなるような、恥みたいな試合ってあるんですよ、誰でもね。そこでどう立ち上がるかですよね。せっかくここまでやって頑張ったんだから」と、再起を促した。
引退示唆の朝倉選手に「まだまだ可能性はある」
前田さんは朝倉選手のトレーニングについて、実戦の中で表面化した自身の弱点克服に時間を割くべきとし、「自分の得意なことばかりやっていると、いつか必ずこういう墓穴を掘るんですよね」と苦言を呈した。
また、「色んなものを抱え過ぎ」とも。「友だちの人生抱えちゃったりとか。そのために、安定的にするために長期に続いていくように、YouTubeだけじゃなく、『BreakingDown』みたいなことも...」と格闘家以外の活動に触れる。「友だちの能力を信じて、自分のエネルギーを使うところの分散も図って。友だちに任せて気楽になって」と、愛弟子に肩の荷を下ろすべきだと主張した。
前田さん曰く、格闘家は20代の頃より体力面の低下は否めないものの、経験など含めて35歳くらいに最盛期を迎えるとのこと。現在31歳の朝倉選手に対し「それに向かって今から練り直し、やり直し再スタートで、再起動かけて頑張ってほしい」と期待をかけ、勝負は時の運としながらも「今回はハッキリ言って自分の油断がこういう結果を生んだ。こういう結果を何となく想像することはあった。平本(蓮)あたりの試合でこういうことが起こるんじゃないかと思ったけど。それが早く来てしまったって感じですね」と話した。
そして「これで選手引退して『BreakingDown』とか行っても。『BreakingDown』の連中は調子乗ってナンボの世界だから、今度『未来とやらせろ』とか何とか、面倒くさいこともいっぱい起こると思うんだよね」と万が一引退した場合の今後を案じ、「そういうカオスにならないように。まだまだ可能性はあるので頑張ってほしいですね」とエールを送っていた。