自分のらしさや強み、得意が生かせる仕事か見極める
――そのタイプ3に「参加したい」という人が約71%もいます。企業が採用選考活動に利用できるうえ、学生にとっても、企業や仕事のことを知る、かなりいい機会であるタイプ3が、これからの就活の焦点になるのでしょうか。
栗田さん タイプ3は、企業側に実施要件として、実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること、職場の社員が学生を指導し、学生に対しフィードバックを行うこと、などいくつかの要件が求められています。
こうした要件は、その企業や業界のことを深く知り、理解することにとどまらず、その企業・業界と自分がマッチングするのかを考えることができる、非常に貴重な機会だと考えています。ですので、7割を超える学生が参加を希望するという結果にもつながっているのではないかと思います。
ただし、タイプ3を実施する企業にとって、開催するにあたっての負担が大きいため、それほど多くの定員枠を用意することは難しいです。現時点では、すべての学生に開かれた機会にはなりづらいというのが現状だと思います。
――調査では、多くの就活生からタイプ3の内容や、参加した感想が寄せられています。これらを読み、「もっと、こういったところを見るといい」という建設的な批判、アドバイスがありますか。
栗田さん 参加学生の感想として、商品販売や開発設計など具体的な実務について知ることができたとか、社員からの具体的なアドバイスやフィードバックによって、業務に対する自身の適性に気付くことができたといった声が挙がっています。学生にとって、企業・業界理解を深められたり、その企業や業界、職種、業務などとの適性を図ったりする機会になったのだと思います。
感想の中には、「自分が長時間座って働き続けることが苦手であることに気付けた」というものもあり、実際に働く前に、苦手なワークスタイルに気づける機会になったことは非常に大きな収穫になっただろうと思います。
学生の皆さんには、プログラム開催期間を通じ、現場の社員の方の働き方や、思考などを見聞きし、実際の業務を体験することで、自身が望むライフキャリアやワークキャリアにフィットするのかどうか、自分のらしさや強み、得意なことが生かせそうな職場や仕事なのかどうか、などをしっかり見極めていただけたらと思います。