侍ジャパン連覇 黒子に徹した初陣・井端監督に「選手がやりやすい」の高評価

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   「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の決勝戦が2023年11月19日に東京ドームで行われ、侍ジャパンが韓国に延長10回の激闘の末、4-3で逆転勝利を飾った。

   台湾、韓国、豪州と危なげなく3連勝で決勝に進出したが、頂点に立つ道は甘くない。決勝の韓国戦では2点を先制される展開となり、5回に牧秀悟(DeNA)のソロ、6回に佐藤輝明(阪神)の犠飛で同点に。無死一、二塁からスタートするタイブレークで延長10回に1点を勝ち越されたが、その裏の攻撃で井端監督が動いた。先頭打者の森下翔太(阪神)に代えて古賀悠斗(西武)を起用。犠打をきっちり決めると、坂倉将吾(広島)の犠飛で同点に追いつき、門脇誠(巨人)が三遊間を抜けるサヨナラ適時打を放った。

  • 現役時代WBCで活躍した井端氏。「現役時代と同様に黒子に徹して選手たちを見守っている」という指摘もあった(写真:AP/アフロ)
    現役時代WBCで活躍した井端氏。「現役時代と同様に黒子に徹して選手たちを見守っている」という指摘もあった(写真:AP/アフロ)
  • 現役時代WBCで活躍した井端氏。「現役時代と同様に黒子に徹して選手たちを見守っている」という指摘もあった(写真:AP/アフロ)

「1人1人のコンディションに気を配り、コミュニケーションを積極的に取っていた」

   17年大会以来2大会の連覇。試合後の胴上げで6度宙を舞った井端弘和監督は、スタンドから大声援が注がれたインタビューで言葉を紡いだ。「非常にたくさんのファンの方の前で勝つことができて非常にうれしいです。ホッとしていますし、選手に感謝したいです」。常に冷静沈着なイメージがある指揮官の声は、珍しく震えていた。

   周囲からは、早くも井端氏を高く評価する声が出ている。

「今年のWBCで世界一に輝き、栗山英樹監督が退任。次期監督の選定が難航した中で、引き継いだ井端監督の重圧は計り知れない。アジアチャンピオンシップはホームの日本開催で、相手の戦力より上という絶対的に有利の下馬評の中で勝ち切るのは難しいですよ。試合中も常に顔が強張っていた。ただ、現役時代と同様に黒子に徹して選手たちを見守っているように感じましたね。1人1人のコンディションに気を配り、コミュニケーションを積極的に取っていた。選手たちはやりやすかったと思います」(スポーツ紙デスク)

   今回の国際大会を経験した選手たちは良い財産になっただろう。井端ジャパンが最高のスタートを切った。(中町顕吾)

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