プロ野球中日などでプレーした野球解説者の中村武志氏(56)が2023年11月19日、ユーチューブチャンネル「野球いっかん!」に公開された動画で、フリーエージェント(FA)権を行使した西武・山川穂高内野手(31)に言及し、「仮に西武を出ても西武は全然問題ない」との見解を示した。
「全然FA移籍をしてもいいと思う」
山川は今季不祥事の影響で5月11日のロッテ戦以降出場がなく17試合の出場に留まったが、故障者特例措置に伴い国内FA権を取得。スポーツ紙の報道によると、西武は宣言残留を認める方針で、交渉では単年契約と大幅減俸を提示したとみられる。
山川は熟考の末、FA申請期限最終日の14日に権利行使を決めた。19日までに大きな動きはみられないが、ソフトバンクが獲得に向けて調査しており、複数年の好条件を提示するとみられ、移籍が有力視されている。
山川のFA行使に関しては、自身の不祥事により今季チームに貢献できなかったことなどからインターネットでは「西武に残留するべき」などの声が見られ、一方ではFA移籍を「正当な権利」とする声もある。
このような状況の中、中村氏は「僕は全然(FA移籍を)してもいいと思う。周りがなんで西武にとか色々な意見が出てくると思いますけど、いち野球人としてそういう資格を取ったわけですから全然してもいいと思います」との見解を示し、西武のチーム事情を解説した。
「ちょっと前からソフトバンクに行くんじゃないのかなと」
「(西武は)ちょっとエッと思う交渉というか条件提示みたいな感じなので。山川さん、問題が起きてちょっとごちゃごちゃしましたけど、西武とすれば、山川さんはFAを取ったらうちには残らないぞと。そういう感覚で1年、2年補強だとか色々な考え方でしていると思う。西武自体は(山川が)いないものだと考えながらの補強だとかチーム構成」
さらに「例えばメジャーリーグの大谷翔平さんを何が何でも引き留めないといけないと。そういう選手には誠意や色々な条件提示が変わってくる。ただある程度本人の意見も入れながらFA取ったらじゃあもう。ちょっと前からソフトバンクに行くんじゃないのかなと大々的に報道されていたので山川さんは」と続けた。
スポーツ紙の報道によると、西武の渡辺久信ゼネラルマネジャー(58)は17日、改めて山川のFA権行使を尊重する姿勢を見せ、今後交渉する予定がないことを明かしたという。
中村氏は「今は(FA条件提示の)推定金額を(報道で)出してくれる。あそこは何年何十億だとか。だいたいの。まんざらでもないです、あの数字は。そこに『うちはこの金額より出せるのかな』とか、色々なことがあると思う。どこの球団もある程度引き留める自信がなければ、ドラフトやトレードも含めて2年3年後を見据えて補強している。仮に西武を出ても西武は全然問題ないと思います」との見解を示した。