「保守党が小選挙区で勝つのは難しい」
秦氏が10月下旬に行った世論調査はインターネットで集計し、保守党に関する項目を含めた質問事項に2096人が回答。なお、オンライン調査の都合によって生じる分布の偏りは、統計上のウェイト処理で年齢や性別を補正し、可能な限り、有権者全体の縮図となるように調整した。
秦氏によれば、一部の層しか保守党を詳しく認知していないことが明らかになった。政党名と政策方針を知っているのは約10%であり、政党名だけは見聞きしたことがあるのは約30%、保守党の存在自体を知らないと答えたのは約60%にのぼるという。「ウェブ調査でなければ、政党の存在を知らない層の実際の割合はより増えるのではないか」とも付言した。
同党が国政政党、さらに自公に代わる与党を目指す場合、秦氏は「現状では右派層のごく一部に知られている程度なので、右派だけでなく、左派や中道にも幅広く認知される必要があります」と指摘する。
また、右派・中道右派・中道・中道左派・左派が各政党に抱く好感度(感情温度)の平均値は「右派、中道右派でも、保守党より自民党の方が好感度が高い」との結果が出た。好意も反感もない場合は50点とし、政党名を知らなかったり答えたくなかったりする場合は点数をつけていない。
【右派】
保守党:56点、自民:74.9点、立憲:23.3点、維新:57.6点
【中道右派】
保守党:40.4点、自民:58.7点、立憲:33.6点、維新:55.1点
【中道】
保守党:33.8点、自民:39.6点、立憲:41.8点、維新:45.6点
【中道左派】
保守党:28.6点、自民:34.8点、立憲:50.5点、維新:43.3点
【左派】
保守党:20.0点、自民:18.7点、立憲:45.4点、維新:28.3点
さらに、各政党の支持者が他の政党に抱く好感度の平均値を踏まえ、秦氏は「保守党は無党派層からの支持も少ない」と説明する。無党派層は、自民に36.2点、立憲に36.9点、維新に41.6点、保守党には31.1点との好感度を示している。
なお、自民党支持者は自民に69.7点、立憲に29.3点、維新に55.8点、保守党には47.6点、参政党支持者は自民に70.3点、立憲に6.4点、維新に70.8点、保守党には85.0点との数値だ。自民よりも保守党に高い好感度を示すのは、「政治家女子48党」「れいわ新選組」「参政党」「その他の政党」を支持する層だった。