日本保守党、ネット支持急拡大も「話題は非常に局所的」 世論調査で見えた実像

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   作家の百田尚樹氏が代表を務める政治団体「日本保守党」がネットで注目を集めている。2023年9月1日に公式X(旧ツイッター)アカウントを開設し、約2週間で自民党のフォロワー数を抜いて国内政党で最多になった。

   また、党員が10月31日時点で5万4000人を超えたと発表している。内閣府男女共同参画局の資料によれば、日本維新の会と参政党の党員はそれぞれ約4万人(22年12月時点)。過去のデータではあるが、保守党が上回っている。

   Xフォロワーや党員数を飛躍的に伸ばす同党を、学者はどう見ているのか。京都府立大学公共政策学部准教授・秦正樹氏(政治学者)は、ウェブの世論調査をもとに「話題になっている場所は非常に局所的です」と指摘し、国政に進出するのは現状難しいとの見立てを取材に示した。

  • 百田尚樹氏(2017年撮影)
    百田尚樹氏(2017年撮影)
  • 各政党の党員数(内閣府男女共同参画局の資料)
    各政党の党員数(内閣府男女共同参画局の資料)
  • 百田尚樹氏(2017年撮影)
  • 各政党の党員数(内閣府男女共同参画局の資料)

「既存政党に対する不満」

   日本保守党は、百田氏とジャーナリストの有本香氏が設立した政治団体だ。百田氏が代表を務めるほか、有本氏が事務総長、河村たかし名古屋市長が共同代表に就任した。「日本の国体、伝統文化を守る」「安全保障」「減税と国民負担率の軽減」「議員の家業化をやめる」など8つの重点政策を掲げる。

   10月17日に開かれた結党会見では、百田氏は「日本の文化や国柄、ナショナルアイデンティティーが内側から壊されかかっています。断固として日本を守る。そのための新たな政治勢力が必要です」と宣言し、国政政党に育て上げるとの方針を示した。

   質疑応答では、同党が注目を集める要因を尋ねられる場面もあった。百田氏は「主観があると思いますが、既存政党に対する不満を私は感じます」と説明し、「ようやく選挙に行ける」といった意見が寄せられていると答えている。

   保守党はXフォロワーや党員を急激に広げるだけでなく、百田氏と有本氏がゲストで出演したインターネット番組もネットで注目を集めた。ニュース番組「ABEMA Prime」が9月26日に配信した回は、百田氏らが設立経緯や政策方針などを説明し、YouTubeの再生回数が11月8日時点で340万回を超えた。コメント欄では、同党を好意的に受け止める声が相次いでいる。

   こうした注目を集める保守党を、学者はどのように見ているのか。政治学者の秦正樹氏は「ネットでは確かに話題になっている」としつつも、同氏が実施した世論調査結果をもとに、必ずしも日本全体で話題になっているわけではないと指摘する。

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