驚いたファンは多いだろう。巨人・中田翔が退団することが2023年11月15日に決まった。
昨オフに3年契約を結んでいたが、中田サイドに1年ごとに契約の見直しができるオプトアウトの条項がついていた。FAで去就が注目されたが、球団の公式サイトによると、中田から球団に対して複数年契約終了の申し入れがあり、複数年契約の合意を解除することを決めた。
「代打は経験値がある選手でないと務まらない」
中田は12月1日に公示される巨人の保留者名簿には掲載されず、自由契約選手となる。
阿部慎之助新監督は岡本和真を一塁で固定する起用方針を明言していた。中田はスタメンでの出場機会にこだわり、他球団でのプレーを模索することを決断した。通算2000安打まであと72本に迫っている中島宏之も来季の戦力構想から外れて退団が決まっている。長打力が魅力のアダム・ウォーカーもトレードでソフトバンクに放出した。
巨人に生まれた懸案事項が「代打の切り札」だ。
「中田、中島、ウォーカーがベンチで代打要員として控えていることで、相手チームは重圧がかかっていた。代打は経験値がある選手でないと務まらない。長野久義が今季代打で打率.294、梶谷隆幸が打率.281と好成績を残したが、2人のどちらかがスタメンに入ると代打の層が薄くなる。丸佳浩はスタメンで出場して結果を残すタイプでないので、代打向きではない」(スポーツ紙デスク)
接戦でカギを握るのは途中出場の選手たちだ。阿部監督が代打を含めてどのような用兵術を見せるか。(中町顕吾)