元東京都知事で参議院議員の猪瀬直樹氏が2023年11月16日にnoteを更新し、自身の「観劇マナーが悪かった」とする噂に反論した。
「僕は妻といっしょにお洒落をして行きました」
猪瀬氏の観劇マナーについては10月31日、演劇評論家の犬丸治氏が、新国立劇場で上演中の「尺には尺を」の観客から「堪りかねて通報」があったとして
「客席の元都知事が、傍若無人、足は投げ出す、お菓子の紙はチリチリポリポリが止まず、老婦人が制してやっとやめたとのこと。『おもてなし』とかチャンチャラおかしい縁なき衆生の醜態」
「せっかくのセリフ劇も台無し。(中略)元都知事は夫人と観劇だったらしいのだが、何で制止しなかったのだろうか、残念」
とX(旧ツイッター)に投稿した。
劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんが「なにやってんだ。ペンチ持って来い。劇場出入り禁止」と反応したほか、タレントのラサール石井さんが
「私も同じ回を観てました。観劇態度は最悪。色の濃いサングラスに黒で統一した格好で身体を揺すりながらヤカラのように歩き、劇場にはふさわしからぬ出立ちでめっちゃ目立ってた」
と、自身も遭遇したと報告した。
これらの投稿を「存命する元都知事は猪瀬氏か舛添要一氏」だとして紹介したインターネット記事を元都知事の舛添要一氏がXで引用し、「私は、新国立劇場で観劇していません」と宣言したことで、インターネット上では指摘された人物は猪瀬氏だったとの見方が広がっていた。
猪瀬氏はnoteで「新国立劇場でシェイクスピアの喜劇『尺には尺を』を観ました」と認めた上で、「僕の観劇態度が悪いとSNSでデマを流す人たちが現れました」と噂を否定した。
「そのデマを流した人物はその日、その場に居合わせたわけではないのに,僕がお菓子をポリポリ食べていたとか、足を投げ出していたとか、悪口雑言で罵っている」
と訴え、ラサールさんの投稿に対しては
「この悪口雑言に乗じて、やからみたいな服装で歩き回っていた、とわけのわからない悪口を書いている。僕は妻といっしょにお洒落をして行きましたので服装についてラサールナントカの趣味に合わなくとも文句を言われる筋合いはありません」
と主張した。
「全員が立ち上がるので違和感を感じてあえて着席したままでいた」
なぜ「デマ」が流されたのかについては、「心当たりがあるとしたら、僕がスタンディングオベーションをしなかったと聞いてそれが気に食わなかったのかもしれません」と推測した。
猪瀬氏が観劇した回では、終演後「ほぼ全員が立ち上がりスタンディングオベーション」だったそうだが、
「僕は演出も役者もよく頑張っていたと思うのできちんと拍手をした。ところが全員が立ち上がるので違和感を感じてあえて着席したままでいた。なぜなら周囲を見渡しながらそろそろと立ち上がるからです。あたかも同調圧力のような空気でした」
として、猪瀬氏と一緒に観劇した妻、友人の3人は座ったままだったという。
猪瀬氏は「まあそういうわけです。くだらない話です」と噂を一蹴しつつ、
「観劇態度が悪いという伝聞が1人歩きしてしまうネットの怖さを感じると同時に、それをさらに拡散させる週刊誌,さらにネットでまた拡散、こういう悪意のサイクルは何も生み出しません」
と嘆いた。
シェイクスピアの喜劇『尺には尺を』の観劇、そしてSNSでデマを流す低級な人びと。|猪瀬直樹 @inosenaoki #note https://t.co/LAqfd3X2fN
— 猪瀬直樹 【作家・参議院議員、日本維新の会 参議院幹事長】 (@inosenaoki) November 17, 2023