「法律的にマストではなく、日程的に難しくてできなかった」
南アルプス市教委の文化財課は11月14日、J-CASTニュースの取材に対し、現地説明会を行わなかったことなど事実関係については認めたが、「きちんと調査したにもかかわらず、法律違反であるかのような印象を与える記事は心外です」と話した。
文化財課によると、遺跡は、文化財保護法上、発掘調査して記録を保存し、報告書を残せば壊してもいいことになっている。
「コストコのスケジュールに合わせ、発掘調査に2、3年かかるところを10か月で終わらせるように、予算と人を増強する体制を組んできちんと調査を行っています。調査の質は担保しており、体制で足りなかったことはありません」
朝日の記事が出た後、市民からは、きちんと調査せずに埋めたのかなどと抗議が数件あったという。「記事には困惑しており、印象操作だと思っています」と述べた。
一般向けの現地説明会をしなかったことについては、こう説明した。
「発掘の様子を市民に公開することは望ましいですが、法律的にマストではなく、日程的に難しくてできませんでした。説明会をやってほしいとの声は出ましたが、オプションまで手が回らなかったということです」
そのうえで、「識者の方々には調査を見てもらい、地元紙などに出土品の情報を提供し、SNS上でも発信しています。来年1月14日には、調査報告会を行う予定などもあり、調査はクローズドではなかったと考えています」とも話した。
朝日の記事でコメントした信玄ミュージアム前館長の甲府市教委文化財主事は11月14日、「埋め戻す前に現場を市民に公開するケースだ」などとしたのは事実としたうえで、一部の発言を切り取られたと取材に明らかにした。それは、建設の工期が決まっており、南アルプス市が最大限努力した状況などを考えると、現地説明会を開くのは難しかったとした部分だという。