若者の酒離れ――実際はどうだろう。情報サービス・BIGLOBE(本社・東京)が2023年5月17日に発表した「若年層の飲酒に関する調査結果」(図1)では、20~24歳で「日常的にお酒を飲みたい」と答えた割合は、30~60代の半分以下だった。
コロナ禍の3年間は、飲食店で酒類販売が停止した時期もあり、感染拡大を防ぐため飲み会や会食が激減した。若い世代は、大勢でアルコールを楽しむ機会がコロナで失われ、もはやノンアルコールで満足だという人が多いのだろうか。
「日常的に飲みたい」20~24歳は2割に満たず
前述のBIGLOBEの調査によると、20~24歳で「あまりお酒を飲みたくない」は18.0%、「お酒を飲みたくない」は29.6%で、あわせて47.6%だ。反対に、「日常的にお酒を飲みたい」と回答したのは17.6%だった。
25~29歳になると、「あまりお酒を飲みたくない」「お酒を飲みたくない」をあわせると52.8%と、過半数に達した。「日常的にお酒を飲みたい」は26.0%だった。
「ソバーキュリアス」という言葉がある。「アルコールを飲むのを我慢するのではなく、ポジティブな気持ちであえてお酒を飲まないライフスタイル」という考え方だ。ここ数年、この言葉を特集するメディアも見られる。アサヒグループホールディングスのウェブサイトによると、「Z世代を中心に日本でも広まりつつある」そうだ。
国税庁の「酒類課税移出数量の推移」(図2)によると、1999(平成11)年にピークを打ったあとは、多少の増減はあるものの緩やかに数量は減り続けている。2021(令和2)年は先述したコロナ禍の影響が否定できないものの、ピーク時の8割まで減少した。全てが「若者の酒離れ」で説明できるわけではない半面、今どきの20代が上の世代ほど「お酒を飲みたい」と思っていないのは、先のBIGLOBEの調査からもうかがえる。