「フリック入力」15~24歳女性が断トツに多い ガラケー世代の「トグル」だとスマホ生活に差が?

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フリックが若い女性に多いのは、「1日4時間以上」スマホ漬け

   さて、モバイル社会研究所の調査は、15歳から79歳までのスマホ利用者5652人が対象。まず、「フリック入力を使っているか」と聞くと、男女ともに若年層になるほどその割合が高く、15~24歳の女性の約半数(47%)がフリック入力を利用していることが明らかになった。

   同じ15~24歳の男性が33%、25~39歳の女性が32%、25~39歳の男性が30%に比べると、ダントツに多いことが特徴だ【図表1】。

   次に、フリック入力をしているかどうかによって、スマホの各種サービスの利用率に違いがあるかを調べると、非常に興味深い結果が出た。

   【図表2】は、「SNS」「動画視聴」「ネットショッピング等」「地図・乗換・ナビ」「電子決済」「ゲーム」のサービスの利用率を調べた結果だが、どの年代でも、どのサービスでも、フリック入力を使っている人は利用率が平均よりも高く、使っていない人は利用率が低いことがわかった。

   これはどういうわけだろうか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したモバイル社会研究所の小島誠也さんに話を聞いた

――フリック入力が、若い女性にダントツ多い理由(47%)は何なのでしょうか。同じ若者でも男性のほうが30%と、違い過ぎる理由がよくわかりません。ひょっとして、女性の指が細いから、やりやすいという面があるでしょうか。

小島誠也さん もともと若年女性はスマホの利用時間が長く、各種SNSを毎日使う割合が男性よりも高いことがわかっています。当研究所が発表した「モバイル社会白書2023年版」の調査結果でも、若い女性(10代~20代)のスマホ使用時間は「1日4時間以上」という人が約70%もいます。同世代の男性が50%前後ですから、利用時間の長さは群を抜いています。

たとえば、LINEを毎日利用する割合も90%前後で、同世代の男性の70~80%より多いです。インスタグラムに至っては毎日利用する割合は70~80%前後で、同世代の男性(40~50%)よりはるかに高いばかりか、30~40代女性(30~40%)の2倍以上といった感じです。

このことから、若い女性はスマホの利用機会が非常に多く、友人との連絡を頻繁に行っているため、素早く片手で入力できるフリック入力の利用が多いのでは、と推測します。

――年配になるほど、フリック入力が少なく、カナ入力のトグル入力などが多くなるのは、「ガラケー世代」という面があるのでしょうか。

小島さん はい。年配者はトグル入力やローマ字入力を使用している方が多いと推測されます。これは、わざわざフリック入力を使わなくても、ガラケーやパソコンの操作で慣れ親しんだ方法で事足りているのでしょう。

――フリック入力の人が、見事なほどにスマホサービスのあらゆる利用率が高い結果が出ましたね。ただ、スマホ操作に長じているというだけで、これほどの差が出るものでしょうか。

小島さん これまで述べてきたように、フリック入力を使用する人はスマホを日々長い時間使用している人であると予想されます。さまざまなサービスを利用し、日々スマホを多く利用する人にとっては、フリック入力を使って素早く文字入力ができることのメリットが大きくなります。

そのため、フリック入力を使っている人のほうが、さまざまなサービスの利用率が高いという結果が得られたと考えております。

(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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