プロ野球西武が2023年11月14日、国内フリーエージェント(FA)権を保有する山川穂高内野手(31)が権利を行使したと公式サイトで発表した。今後複数球団による争奪戦が予想される中、元西武コーチで山川を指導した経験を持つ橋上秀樹氏(57)は、移籍先候補の最有力にソフトバンクを挙げ、来季パ・リーグ本塁打王の「大本命」とした。
山川は今季不祥事の影響で5月11日のロッテ戦以降出場がなく17試合の出場に留まったが、故障者特例措置に伴い国内FA権を取得。スポーツ紙の報道によると、西武は宣言残留を認める方針で、交渉では単年契約と大幅減俸を提示したとみられる。山川は熟考の末、FA申請期限最終日に権利行使を決めた。
「山川選手はかなり迷ったと思います」
橋上氏は山川の移籍先について「報道ではソフトバンクと中日が候補に挙がっていますが、両球団が手を挙げたら間違いなくソフトバンクでしょう。金銭的にも色々な条件を含めて中日に行く要素が全く見当たりません。他の球団は今更割って入ろうとはしないと思います」との見解を示し、次のように続けた。
「ソフトバンクには当初から山川選手のFAを見越して獲得するという構想があったと思います。今回の事件があったのでいったんは白紙になったかもしれませんが、ソフトバンクが今季思いのほか勝てなかったので改めて山川選手を獲得するという構想が再燃した可能性があります。山川選手はかなり迷ったと思いますし、西武に残る選択肢もあったと思います。その中でFAを決心させたのが西武からの条件提示だったかもしれません」
今季は不祥事によりシーズン序盤の5月中旬に出場選手登録を抹消された。その後、出場選手登録されることなくシーズンを終え、10月に行われた「みやざき・フェニックスリーグ」に出場し若手と共に汗を流した。
山川のブランクについて橋上氏は「心配ない」とし、「ブランク関係なく活躍できると思います。山川選手は寒さに強くないが、ソフトバンクの本拠地はドーム球場なので空調が効いた環境で試合ができる。本人は来シーズンにかける思いはかなり強いと思います。かなりの成績を見込める可能性があるでしょう。来季はホームラン争いの大本命になると思います。かなりの確率でホームラン王を取れると思います」と太鼓判を押した。
今季のパ・リーグ本塁打王は、26本を放った楽天・浅村栄斗内野手(33)、ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(32)、ソフトバンク・近藤健介外野手(30)の3人が同時に獲得。山川は過去に3度本塁打王のタイトルを獲得しており、昨季は41本塁打を記録し本塁打王に輝いた。