「身近な被害を食い止めたい気持ちからの志望増加では」
北海道の狩猟免許試験では、20年度から新型コロナウイルス対策として3年間、収容人数を抑える定員制にしていた。23年度は、コロナ対策は止めたが、定員がなかった時代は、技能試験が順番で夜遅くなるケースに苦情が相次いだことから、定員制は続けて試験の回数などを増やした。
ところが、コロナ前の19年度の受験者757人より倍近い希望者が殺到して、会場によっては抽選となってしまったという。
「40代以下の若い人たちの受験が増え始めています。受験者には、女性の名前もけっこういますね。コロナ禍での定員制で受けられなかった人が多かった可能性もありますが、増えた理由については、こちらでは分かりません」
前出の日報さんは、若者らの受験希望が増えたことについて、こんな見方を示した。
「マンガやジビエ人気の影響ではなく、身近な被害を自分たちの手で食い止めたい気持ちからの志望増加ではないかと思います。私も、猟友会の方の高齢化や狩猟人口の減少などのニュースを見て、暮らす地域の野生生物対策をいつまでも人任せにしていてはいけないなという気持ちで受験を申し込みました」
とはいえ、免許を取って猟銃などを所持しても、クマを捕獲できるまでにはハードルも多い。
「今増えた若い受験者が、将来的に実効性のある狩猟者になるにあたって、昔に定められた制度の見直しをお願いしたいです。例えば、わな猟の際、罠に自分の住所と氏名を添える決まりなど。現代においては個人情報を人の目に触れる屋外に掲示しっぱなしというのは、違和感があります。特に若い女性ハンターは個人情報掲示に抵抗があるのではないでしょうか」