ふるさと納税「鍋セット」ランキングで考えた 「ご当地品限定」「寄付にかかる経費5割まで」の影響

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   冷え込みが突如強まった日本列島。寒い日にうれしいのが、鍋料理だ。ふるさと納税の返礼品でもらえる「鍋セット」は、きりたんぽ鍋やもつ鍋など、ご当地の味が楽しめる。

   このふるさと納税について、総務省は2023年10月から「ご当地品限定」「寄付にかかる経費は5割まで」とのルール変更をした。「鍋セット」の返礼品には、何か影響が及ぶのだろうか。

  • 九州のもつ鍋の恋しい季節だ
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「還元率」計算すると

   ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」では、返礼品になっている鍋セットの人気ランキングは以下のとおりとなっていた。

1位 「お米で育てた『むなかた牛』塩もつ鍋セット(2人前×2セット)」1万2000円(福岡県宗像市)
2位 「黒毛和牛 特選すき焼き用 食べ比べスライス 3種セット900g」1万5000円(宮崎県西都市)
3位 「博多若杉 牛もつ鍋醤油味(4~5人前)セット」1万500円(福岡県福智町)
4位 「松阪牛すき焼き(600g)セット」3万円(三重県松阪市)
5位 「カット済み本ずわいかにしゃぶ800g~1kg(400g~500g×2パック)」3万円(北海道根室市)
6位 「国産牛モツ入り 絶品塩もつ鍋(1.5kg)12?15人前」1万円(佐賀県上峰町)
7位 「本場大館ベニヤマきりたんぽ鍋セット(2人前)」1万2000円(秋田県大館市)
8位 「【下鴨茶寮】老舗料亭の味を自宅で楽しむ 京おでん」2万円(京都府京都市)
9位 「博多華味鳥 水炊きセット(3~4人前) 柚胡椒付」9000円(福岡県大川市)
10位 「遊食豚彩 そばつゆ仕立黒豚しゃぶ4人前」3万円(鹿児島県鹿児島市)
10位 「鹿児島黒豚しゃぶしゃぶ1.0kg黄金セット」1万1000円(鹿児島県指宿市)
「出典元:ふるさとチョイス 鍋セットのランキング」※2023年11月10日時点

   納税額でみると1~3万円の価格帯が人気だ。また、もつ鍋や黒豚しゃぶしゃぶといった九州の鍋セットが10位までの中に6つランキング入りしており、九州の料理の人気がうかがえる。

   J-CASTニュースBiz編集部独自で、ランキングトップ3の還元率を試算してみた。還元率とは、

返礼品の実売価格(送料含む)÷ふるさと納税の寄付金額(円)×100

の式であらわされる、ふるさと納税独自の「お得度」の指標だ。

1位「お米で育てた『むなかた牛』塩もつ鍋セット(2人前×2セット)」:還元率35%程度
2位「黒毛和牛 特選すき焼き用 食べ比べスライス 3種セット900g」:還元率48%程度
3位「博多若杉 牛もつ鍋醤油味(4~5人前)セット」還元率47%程度

ルール変更で自治体の反応

   総務省は2023年10月、ふるさと納税のルール変更・改定を実施した。重要なポイントが、「寄付にかかる経費は5割まで」と「加工品は同じ都道府県産に限る」だ。

   ふるさと納税を巡っては以前、自治体間の返礼品競争過熱を起こし、2019年6月施行の法律で、「調達品が寄付額の3割以下の地場産品」との返礼品基準が新設された。そのあと、証明書発行の経費などを含めて、少なくとも半分以上は寄付を受けた自治体のために活用されるべきだとの考え方に基づいて、今回「寄付にかかる経費は5割まで」と「加工品は同じ都道府県産に限る」というルールを追加したのだ。

   自治体の現場ではこうしたルール変更の影響は出ているのか、ふるさと納税担当課の職員に話を聞いてみた。

   北海道で、全国でも有数の寄付額を集めている自治体職員はこう回答した。

「寄付額が多くなることで、返礼品に参入してくる事業者が多くなった。そうなると、本当に地元のものを販売しているか調査するのが難しい。間に入っている委託業者にそうした調査を定期的にやってもらい、情報を共有している」

   九州にある自治体のふるさと納税の担当職員は、

「もともと返礼品の送料などを含んだ還元率にしているので、10月のルール変更で大きな問題はありませんでした。ただ、ふるさと納税の証明書発行を自分たちで行っているので、証明書の発行と送付だけでかなり労力を割かれるのが困り事です」

と語った。

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