「屁理屈くん」の回答は真理だった
「屁理屈くんを試してみてください」という指示に従って、最初の質問を投げかけたところ、「おっと、その意見にはちょっと屁理屈を差し挟ませてもらうよ」で始まる答えを返してきたという。
そこで「何か改善点があれば教えてください」というGPT Builderの質問に対し、「屁理屈という言葉は文末以外には使わないでください」と追加で注文した。最初に出てきたらネタバレになる、最後に一度だけ出てくるから面白い、と考えたからだ。
するとGPT BuilderはUpdateをかけて、新たな設定を反映させるチャットボットに進化した。Aさんはすっかり驚いてしまったという。
「びっくりしました。簡単な依頼文だけですからね。ただし私の場合、用途を自分だけで考えるのは難しかった。私が『論破くん』を見てイメージを膨らませたように、たくさんの例を見て、実際に触って見るべきと思いますよ。それも部下に任せるのではなく、自分自身でやってみるのが大事です」
今回は、回答の内容をChatGPTに完全に任せたが、例えば自社で蓄積した製品・サービスの問い合わせパターンをGPTに学習させれば、会社が望んだ回答を的確に返すチャットボットが安価かつ迅速にできるだろうと、Aさんは期待を寄せる。
「まずは顧客対応ですよね。これはすぐに研究します。あと、意外と社内向けの問い合わせ対応にも使えそう。営業事務とか総務とか社内SEとか、問い合わせ対応に振り回されていた人がチャットボットを作る。『屁理屈くん』が教えてくれた『AIは仕事の内容を変えるけど、必ずしも奪うわけじゃない』というのは、真理かもしれません」