日本食の筆頭として挙げられることも多い寿司。多くの日本人から長きに渡って親しまれ、かつ現在も食す機会の多い料理です。
こうした背景もあってか、X(Twitter)では寿司に関する話題や体験談がたびたび拡散され、議論を呼ぶネタになります。ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」、今回は「Xで議論を呼ぶ寿司ネタ」について掘り下げます。
サーモンは「回るほうのお店に任せてる」
寿司にはさまざまな価格帯のお店がありますが、中でも「高級寿司店」に関する話題は多くのXユーザーの関心を集めやすいようです。
高級、あるいは老舗の寿司店についてよく議論の種になるのが「サーモン」の扱いです。回転寿司やスーパーなどではすっかりおなじみの寿司ネタですが、老舗や高級店では扱っていない場合が多い、という話を耳にしたことがある人もいるでしょう。
そんな中、あるXユーザーが老舗の寿司屋を利用した際に「サーモンありますか」と注文したところ、お店の人から「ウチは老舗だからサーモンはない。そういうネタは回るほうのお店に任せてるから」と返され、同席した人の前で恥をかいてしまった、という体験談が拡散されました。「回るほうのお店」とは、回転寿司チェーンなどリーズナブルな価格で提供する寿司店全般を指した表現と思われます。
投稿者は、「イクラをありがたがってサーモンをバカにするのはおかしい」「この一件以来全ての回らない寿司屋を逆恨みしている」とも書いています。
投稿を読んだほかのユーザーからは「お客さんの顔を潰さないように返答するのが粋なのではないか」と、店側の対応に疑問を抱く声が多数寄せられました。
回らない寿司屋で『サーモンありますか』と聞いてみた時の話 - Togetter
また「老舗や高級寿司店でサーモンを扱っていない店が多い理由」について背景を語る人や、「サーモンと日本の鮭は同じ食材として扱ってよいのか」「店側の言い分も理解できる」といった議論も起きるなど、実にさまざまな角度・視点での反応が飛び交いました。
お店や価格帯によって扱うネタに大きな幅がある寿司ならではの拡散のされ方と言えるでしょう。
寿司の値段と質は必ずしも相関しない?
寿司の価格帯は店によってさまざまと書きましたが、「必ずしも価格と味とが相関しているわけではない」という視点も関心を引くトピックのようです。
データサイエンティストの尾崎隆さんが、「銀座の3万円の寿司より富山のもっと庶民的な寿司の方が美味かった」という話を聞いたことを受けて、地方の寿司屋と東京の寿司屋との比較について持論を投稿しました。
尾崎さんは、銀座の寿司屋で提供されている寿司は「産地から遥かに遠く隔たった銀座でなんとかして美味く魚を食べるために工夫し尽くされた寿司」であり、魚の産地の近くのお店で食べる寿司には「何をどうあがいてもかなわない」というのです。また、銀座で食べる寿司については「(寿司職人の)技巧に舌鼓を打つもの」とも書いています。
銀座の高い寿司は「産地から遠い銀座で美味く魚を食べるために工夫し尽くされた寿司」であって美味しさだけで言えば名産地で頂く寿司にはかなわないのでは- Togetter
一連の投稿を読んだユーザーからは「鮮度が美味さに直結するネタはやはり産地に限る」と共感する声だけでなく、「(技巧を楽しむか、素材を楽しむかという意味で)都会の高級店と、港近くのお店のお寿司は同じお寿司でも別の食べ物」「アナゴなど処理に手間のかかるネタは都会のお店のほうが美味しい」「物流や保冷技術の進歩で産地からの距離は関係なくなりつつあるのでは」といった視点の反応も出ています。
寿司の品質や価格の決め手となる要因もさまざまで「都会と地方とではどちらのほうが美味しい」と単純に割り切れる話ではないことが伝わってきます。
海外のアレンジに理解がある人でも困惑した寿司ネタ
寿司の話題は国内だけにとどまりません。今や海外でも数多くの寿司店が展開されていますが、その土地の人の口に合う形でアレンジされていることもあり、その様子がXで驚きとともに投稿されることがあります。
フィンランドの首都ヘルシンキで「バナナの巻き寿司」に困惑している、というXユーザーの報告が話題を呼びました。
バナナの巻き寿司の投稿者は、日本でも各国の料理を独自にアレンジしてきた歴史があることをあげつつ、海外でアレンジされた寿司にも寛容な立場でいたそうです。しかしそんな投稿者でも、バナナの巻き寿司には驚きを隠せなかったようで、実物の写真を投稿しつつ「俺の寛容さが試されている」とつづっています。
寿司ポリスなど片腹痛い!と思っていたがヘルシンキで出たとある寿司に己の寛容さを試された「なかなか勇気のいる具材...」 - Togetter
投稿をみたユーザーからも「なかなかに勇気のいる具材...」「コレは現地の人が食べてウマいのか?」と困惑気味の声が寄せられました。いっぽうで「大福だと思えばよいのでは」「おはぎと同じ構成」と、お米と甘い食材の組み合わせを別の日本食に置き換えて想像する人も。
また、「アメリカで寿司を買った際に、(魚の)赤身だと思っていたものが『イチゴ』だと気付いて驚いた」という海外での似たような体験談を投稿する反応も複数投稿され反響を呼びました。
バナナ巻き寿司への反応を見ると、日本のXユーザーは海外の寿司にも高い関心・好奇心を寄せていることが分かります。ちなみに、バナナ巻き寿司を食べた投稿者の感想は...「意外とイケる」味だったようです。
食や料理に関する話題は日々Xを賑わせていますが、注目を集める事例の数・角度の豊富さを見るに、寿司ネタはひときわXユーザーが好む傾向にあるトピックと言えそうです。
拡散された事例を並べてみると、寿司に対する理解がさらに深まるきっかけを得られるかもしれません。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。
【まとめ一覧】
回らない寿司屋で『サーモンありますか』と聞いてみた時の話 - Togetter
銀座の高い寿司は「産地から遠い銀座で美味く魚を食べるために工夫し尽くされた寿司」であって美味しさだけで言えば名産地で頂く寿司にはかなわないのでは- Togetter
寿司ポリスなど片腹痛い!と思っていたがヘルシンキで出たとある寿司に己の寛容さを試された「なかなか勇気のいる具材...」 - Togetter