「力士として悔いはない」
社会人として1年が過ぎた。日々の仕事にもようやく慣れてきたという中世古さんは「仕事を始めた時には慣れない生活で体重が120キロを切りましたが、慣れは怖いですね。体重が120キロ台に戻りました」と笑顔を見せ、「介護職は天職だと思っています」と胸を張る。
そして「仕事をしていて楽しいですしやりがいもあります。『ありがとう』と言われるのがすごくうれしい。力士時代は『頑張って』と応援されることは多かったですが、『ありがとう』と言われたことはありませんでしたから。やっぱりうれしいですね」と続けた。
当面の目標は2年後に控える国家試験となる。
「結婚はこれからですね。社会で色々な経験を踏んでからと考えています。そこも新弟子ですね。社会人1年目ということもあって、仕事に先に慣れないといけないということもありましたので。これからは他のことも楽しみながらやっていこうと思います」
高田川部屋に入門した当初は、あまりの厳しさに心が折れ、3年持てば良いと思ったという。それが相撲を取るたびに相撲が好きになり、のめり込んでいった。仕えた2人の親方にも恵まれたという。
中世古さんは「力士として悔いはない」と言い切り、「29年間は幸せな時間でした。辛いこともありましたけど楽しかったりうれしかったりした方が倍以上ありました。お相撲さんになって良かったなと思います」と振り返った。