俳優の蒼井優さんら3人がれいわ新選組や同党の山本太郎代表を支持するコメントをしていたと紹介するブログの一部がX(旧ツイッター)で拡散している件で、各所属事務所は掲載されたコメントが事実ではないと否定した。同党も法的措置を検討すると発表している。
実在する芸能人が特定の政党を応援するコメントをしたと、事実であるかのように記載することは、どのような法的問題があるのか。Authense法律事務所の高橋麻理弁護士は2023年11月10日、「民事的な損害賠償責任が生じ得る」と取材に説明する。
「慰謝料等損害賠償請求をすることが考えられます」
物議を醸したのは、「れいわ新選組支持者の有名人まとめ!」と題したブログだ。蒼井さんのほか、俳優の山本美月さんと加藤清史郎さんの3人が支持者だと紹介。さらに、蒼井さんらはそれぞれ「私は、れいわ新選組の政策に共感します」などのコメントを発信していたとも記載した。
このブログのスクリーンショットがXで拡散したことを受け、3人の各所属事務所は11月9日から10日にかけて、「全くの事実無根」「全く事実ではない」「そのようなコメントを出した事実はございません」と、記載されたコメントは事実ではないと否定した。
れいわ新選組も10日、同党に対する偽の応援コメントサイトに注意するよう、公式サイトで呼びかけた。記載された内容について、「れいわ新選組は全く承知しておらず、そのような事実もないと考えております」と述べた上で、以下のような方針を示した。
「れいわ新選組及び代表山本太郎の名誉を著しく毀損し、信頼を損なう可能性が高いと考えており、法的措置を取ることを検討しております」
こうした記載にはどのような法的問題があるのか。高橋弁護士は10日、「民事的な損害賠償責任が生じ得る」とJ-CASTニュースの取材に説明した。名前を勝手に使われた芸能人の立場から考えると、以下のような問題があるという。
「自分がどのような政治的思想をもつかということ、特定の政党を支持するかどうかということ、政治的思想について表明するかどうかという思想良心の自由、表現の自由に関わる内容について、勝手に投稿されたことで受ける精神的苦痛その他生じ得る損害について慰謝料等損害賠償請求をすることが考えられます」