立憲民主党の泉健太代表が2023年11月10日の記者会見で、記者の質問を「よくぞ聞いてくれました!」と大歓迎する場面があった。「政権交代に臨む立憲としての考え方」に関する質問だ。泉氏は11月4日に法政大の学園祭で行った講演で、「5年で政権交代を目指す」と発言。これが読売新聞に「次期衆議院選挙で政権交代は目指さず」という見出しで報じられ、野党第1党代表の発言としては不適切だとして党内外から批判が噴出していた。
泉氏はX(旧ツイッター)で、見出しは「釣り見出し」だと批判。記者会見でも、日々政権交代を目指すことや次期衆院選で政権交代を目指すことは「極めて当たり前」だと述べた。
「私の発言ではなく、完全な読売新聞の釣り見出しです」
発言をめぐっては、小沢一郎衆院議員が11月7日、記者団を前に「ばかばかしい」などと批判。鳩山由紀夫元首相はXで小沢氏の発言を紹介し、
「政権交代の前に代表交代の流れになりそうな雰囲気が出て来た」
と指摘した。
Xでも批判は噴出。泉氏は批判的な書き込みを引用しながら、
「『政権交代を目指さず』は、私の発言ではなく、完全な読売新聞の釣り見出しです。当然ですが、私も立憲民主党も1日も早く政権交代 を目指しています。与党支持率が下がったからと、立憲の候補者が簡単に増えるものでもありません。今は野党議席の最大化を進めます」
などと反論していた。
「必達目標」150議席獲得なら「自公の過半数割れは十分ありうる」と
泉氏は記者会見で、講演の発言は「現在の状況に照らして、そして立憲民主党で単独過半数を目指すということになれば、どうなるのか」という趣旨の問いに対する答えだったと説明。野党の側ではコントロールできない衆院解散のタイミングも影響するとしながら、
「ひとつ衆院選挙があり、そしてその後、参院選挙があり、そしてもう一度総選挙が来る。これを一つの考え方として、5年と考えれば5年だね...と、そういう意味で発言をしている」
と述べた。その上で
「日々政権交代を目指しているか?当たり前です。極めて当たり前。そして、次期総選挙で政権交代を望んでいるか?当たり前です。極めて当たり前」
とも話した。
泉氏は次期衆院選で150議席の獲得を必達目標として掲げている。仮にこれが実現すれば「自公の過半数割れは十分ありうる」としている。単独過半数ではなく、連立政権を組んだ形の政権交代であれば「当初の想定よりも早く政権にたどり着くということは、十分今の段階でもありうる」とも述べた。