春闘の歴史的賃上げに比べ、物足りなかった夏のボーナス
今回の冬のボーナス見通し、どう見たらよいのか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部研究員の丸山健太さんに話を聞いた。
――民間企業の1人当たり平均支給額が40万1438円で、前年より2.2%上がる予想ですが、この伸び率は「上がってよかった」と喜ぶ数字なのか、「もっと上がってほしかった」という残念がる数字なのか、どちらでしょうか。
丸山健太さん 後者ですね。もっと上がってよかったと思います。実は、今夏のボーナスも期待外れの数字でした。支給額の伸び率は前年より2.0%増加しましたが、今春の春闘賃上げ率が、厚生労働省が集計した数字では3.6%と、30年ぶりの高水準を実現した割には、とても物足りない数字でした。
ボーナス算定の際には企業業績が参照されます。コロナ禍からの需要回復と円安を追い風に、2022年度の企業の経常利益は製造業、非製造業ともに過去最高を記録しました。しかも、人手不足が深刻になっており、完全失業率が2%台にまで下がっています。賃金をもっと上げて人手を確保しなくてはならなかったはずです。
企業のボーナスは、夏冬連動して支給されますから、今夏の期待外れの支給額が冬のボーナスにも影響するとみて、弊社では弱めの数字を出しました。