高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
岸田政権の経済対策は「ショボく・遅い」 内閣支持率低迷を招いた理由

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閣議決定を1週間たたずにひっくり返す

   政府は、来年度予算に回す所得税減税について、「この税収増を納税者である国民に分かりやすく『税』の形で直接還元する」と閣議決定文に書いていた。ところが、8日の衆議院財政金融委員会で、鈴木財務相は、還元策の税収増について「すでに使っている」と答弁した。2日の閣議決定を1週間もたたずにひっくり返したのだ。

   筆者は、財源について、本年度の税収上振れや外為特会評価益などから50兆円程度あると言ってきたので、過去2年度分の原資がないと聞いても驚かないが、閣議決定文との整合性などは国会で議論されるだろう。ひょっとしたら、最近の岸田政権の支持率低下を受けて、所得税減税を嫌っていた財務省が岸田政権にさじを投げた匂いすら否定できない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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