忘年会が意識される時期になってきた。
2023年は3月13日にマスク解除、5月5日にはWHO(世界保健機関)による収束宣言、そして同月8日には新型コロナウイルスが5類に分類.....という具合に、職場の忘年会の「復活元年」となりそうな年だ。
ところが、そんな機運に冷や水を浴びせそうなデータを東京商工リサーチが明かしている。J-CASTニュースBiz編集部はこれを受け、世のビジネスパーソンに忘年会に対する賛否や、それぞれの人のスタンスを取材した。
企業の「忘・新年会離れ」が進んでいるのか?
2023年11月1日、東京商工リサーチは「忘・新年会『実施予定率』は54.4% 企業の『忘年会離れ』が顕著」と題する職場の忘年会についての意識調査の結果を発表した(調査方法は10月2日~10日、企業を対象にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答4747社を集計、分析)。
それによると、東京商工リサーチは、
「『コロナ禍前は実施していたが、コロナ禍の今回は実施しない』と回答した企業は21.8%にのぼった。その理由について、『参加に抵抗感を示す従業員が増えたため』が42.2%に達し、『忘・新年会が労働時間としてカウントされる恐れがあるため』も10.0%あった」
としつつ、「企業の『忘・新年会離れ』が進んでいる」と結論付けている。
そんな忘・新年会だが、世のビジネスパーソンはどう受け止めているか――。
「交流の場としてもあった方が良い」
30代女性Aさんは、今年は職場の忘年会は「ある」と回答した。そのうえで、忘年会という行事が存在することには「賛成」だと明かす。
「交流の場としてもあった方が良いし、今年は自らの職場でも開催を期待している人が多いと感じています。ただし、今年からは従来通り店が混むので予約が取りづらくなるのではないかと懸念しています。あと、店選びの際、若い世代はアルコール飲めない人も多いため、ノンアルコールメニューが充実しているかも重視します」
そのうえで、自身は、今年の職場の忘年会には「参加する」という。コロナの流行以降、職場の忘年会は初めてかとの問いには「初です」と答えた。
ちなみに、参加人数は「10人未満」と予想したうえで、1人あたりの価格は「5000円前後と思われる」とのこと。それから最後に、2次会については未定としつつ、「行われる確率は高いと思います」と語った。
一方、30代男性Bさんの場合は、以前から忘年会がない職場に勤めていると明かし、自らの考えをこう語った。
「普段の『飲みニケーション』は全く必要ないと思うが、忘年会など何か節目になるような時にはやってもよいのかなと。管理職、上司が参加する場合はお酌禁止にすればどうか。忘年会は夜でなくランチなどでもよいし、ノンアルでも問題なし。忘年会はあってもなくてもよい、でもやるなら参加しやすい、楽しく『忘年』できたほうがいいよね、と思う」
「強制されると萎える」
40代女性Cさんは「忘年会あります」。その存在には「賛成」、今年は「参加予定です」と話す。
「普段交流がない人とも話せるいい機会だと思うから。ただ、強制されると萎えるので、参加する人もしない人も気分を害さないようにしてほしい。上司が提案すると、なんとなく圧がかかる気がするので......」
忘年会実施の機運は、部下から高まるのが望ましいと話した。
ちなみに、忘年会は「コロナ以降初(参加)です」、参加人数は「15人くらい」。1人当たりの価格は「1〜5000円くらい年功序列を希望」と、年齢によって傾斜をつけてほしいと望んでいる。
最後に、2次会については「公式のものはなさそう。お酒が強い人だけ残ってどっか行くかもしれません」。
40代男性Dさんは「忘年会の実施は未定です」とし説明しつつ、
「(忘年会は)あっても困らないですが、なくても仕事終わりや仕事の合間など、コミュニケーションは普段取れているので困らないです」
と、不便を感じないと明かした。
「年忘れの儀式のようなもの。クリスマスや正月のようなもの」
最後となる40代男性Eさんは忘年会について、「年忘れの儀式のようなもの。クリスマスや正月のようなもの」と、賛成や反対を超えた有無を言わせない存在であるとの考えを述べた。
そのうえで、「あってもなくても問題はないが、ないと寂しい気もする」と、どちらかと言うと、忘年会の存在に好意的な態度。今年の忘年会には「参加します」としつつ、参加人数は「20人程度」と予想。また、1人当たりの価格については、「会社から出るのでわかりません」と言う。
2次会の実施については、
「確実にN次会まであります。1次会以外の費用も会社から出るので、すべて合わせると2~3万円に達するかもしれません」
と、2次会で終わらないのは確実と語った。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)