テレビ番組制作会社の倒産急増 旅やグルメの「ロケ番組」減少、「旧ジャニーズ」の影響は

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コロナで減った「旅」「グルメ」「街歩き」番組

   テレビを裏から支えてきた番組制作会社は、これからどうなるのか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した東京商工リサーチ情報本部の二木章吉(にき・あきよし)さんに話を聞いた。

――倒産したのは、本当に小さい会社ばかりですね。

二木章吉さん 社長も含めて、従業員が4人以下というところがほとんどです。しかも大半が、大きい番組制作会社やスタジオから仕事を受注する「孫請け」という形です。

仕事の形で目立つのは、バラエティーやドラマなどの制作を受け持つのではなく、「旅」や「グルメ」「街歩き」といった外に出るロケハンのスタイルです。2~3人のごく少人数で出来る内容です。

そこに、コロナが直撃しました。外出自粛要請の長期化から「旅」や「街歩き」の番組そのものがなくなったり、番組を続ける場合でも、テレビ局が外部スタッフからの感染を恐れて、自分の局のスタッフで制作を行なったりするケースもありました。仕事がどんどん減ってきたのです。

――バラエティーやドラマに切り替えることはできなかったのでしょうか。

二木さん いきなりバラエティーをやれと言っても、スタッフが数人しかいないし、番組制作会社ごとに得意分野があります。それぞれ競争が激しいから、割り込むのは難しいと思います。受注の相手先を調べると、実質1、2社というところがほとんどで、そこから仕事がもらえなくなったらピンチです。

資金繰りに行き詰まり、コロナ禍の期間中は何とかコロナ関連の給付金やゼロゼロ融資などを活用して事業を継続して、行動制限の解除まで何とか持ちこたえていましたが、旅やグルメ番組の数は、コロナ以前ほどには回復しなかったと聞きます。

コロナ禍の2021年には3件しかなかった倒産が、2023年になって急激に増えたのは、持続化給付金などの助成金もなくなり、ここに来て「息切れ」したのだと思います。
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