漫画家の倉田真由美さんが2023年11月7日にX(旧ツイッター)を更新し、電車やバスの「優先席」をめぐって持論を展開した。
ヘルプカードを付けても「万事解決とは思いません」
倉田さんの夫で映画プロデューサーの叶井俊太郎さんは22年6月、末期のすい臓がんと診断され、余命半年と宣告されたと公表している。
そんな叶井さんについて、倉田さんは11月3日にXで
「夫はステージ4の末期癌。昨年から30kgくらい痩せた。でも、初めて会った人が『この人病気かな』とすぐさま気づくほど弱々しくは見えない」
「先日、夫が貧血気味で優先席に座っていたら、高齢者に咎められたそうだ。『ここはあんたが座る席じゃないよ』元気なら事情を話したがそれすらしんどくて、黙って席を立ったらしい」
などと報告していた。
7日の投稿では、優先席の一件をきっかけに、叶井さんが援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせる「ヘルプカード」をバッグに付けるようになったと明かした上で「でも、『これで万事解決』とは私は思いません」と切り出した。
「『優先席に座っている人をどかせる』って、たとえヘルプカードを持っていない、健康そう、若そうに見える人に対してでもやっていいことではないと思うからです。座席に荷物を座らせている人の荷物をどかせるのとは違います。人にはいろんな事情がある、どんな事情で座っているか他人にはわからないんですから」
と、改めて優先席に座っている人を咎めることに苦言を呈し、
「優先席だろうがそうじゃなかろうが、高齢者や身体の不自由な人がいたら席を譲るのは当たり前のはず。でも優先席があることによって、『ここは優先席じゃないから譲らなくていい』『優先席に健常そうな人は座るべきじゃない』というような、おかしな感覚を醸成してしまっている気もします」
と疑問を投げかけた。
他のユーザーからは
「若いから心身共に健康と思うのは危険。太っているから健康で痩せていたら病気って思う想像力の無さ。思いやりの無さ。癌の告知以降、嫌と言うほど経験しました。公共交通機関(指定席以外)の座席は全てが優先席と言う感覚であって欲しいと切に願います」
「『優先席』を無くしたらどうか?『優先席』を作るから馬鹿みたいな主張をしてくる人が出るんじゃないかな?ヘルプマーク付けてる人や高齢者、妊婦さんを見かけたら『譲る』といった事が普通に出来れば良いだけなんだけどね」
「『優先席』って、そもそもどれだけ目的通りの用途で役に立っているのでしょうか?混んでるのに空いている事が多く、無駄に空間を使っているような気もします」
などの意見が寄せられている。
夫はステージ4の末期癌。昨年から30kgくらい痩せた。でも、初めて会った人が「この人病気かな」とすぐさま気づくほど弱々しくは見えない。…
— 倉田真由美 (@kuratamagohan) November 3, 2023