「社会保障の財源は消費税を充てるべき」の結論を尊重と説明
あるエコノミストは、消費税減税がGDPを押し上げる効果は、所得税減税の2倍以上だと大手シンクタンクのサイトなどで自説を唱えている。所得税減税分の一部は貯蓄に回ってしまうという点を主な理由に挙げた。
一方、一時的な消費税減税には、弊害が生じるとの指摘もある。引き下げ前後に買い控えや買い急ぎが起きて愚策だとする経済評論家もいるほか、新聞報道などによると、ドイツでは、付加価値税の減税に踏み切った後に、消費がさほど拡大しなかったともされている。
岸田首相は、消費税減税を検討しなかった理由について、11月1日の参院予算委で、別の野党議員の質問に次のように答弁している。
「議論を積み重ね、『社会保障の財源は消費税を充てるべきだ』という結論に達しました。議論の結果は尊重しなければならず、消費税以外の手法をとることが適切だと考えています」
ただ、社会保障の財源を別に考え、消費税減税の効果を考えていく選択肢がなかったかなどについて、議論を呼ぶ余地はありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)