プロ野球横浜、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(65)が2023年11月1日にユーチューブ動画を更新し、同日甲子園球場で行われた日本シリーズ第4戦のオリックス中嶋聡監督(54)の采配を「度胸が据わっている」と称賛した。
高木氏が指摘したのは3-3の同点で迎えた9回オリックスの守備だ。ジェイコブ・ワゲスパック投手(29)が1死後、近本光司外野手(28)に死球を与えると2度の暴投で1死3塁とした。続く中野拓夢内野手(27)、森下翔太外野手(23)を連続で申告敬遠し1死満塁で4番・大山悠輔内野手(28)と勝負した。
「大山をここで押さえつけておこうと思ったと思う」
大山に対してワゲスパックの制球が定まらず3ボール・ノーストライクのピンチに。3球連続ストレートでフルカウントとするも7球目のストレートを打たれ、これがサヨナラタイムリーとなり3-4で敗れた。通算2勝2敗のタイとなった。
中嶋監督の満塁策はインターネットで大きな話題となり、「満塁策は理解できるけれど投手と合った作戦ではなかった」「格下を敬遠して四番と勝負は 裏目に出る確率高い」と采配に否定的な声が上がる一方で、「結果で見れば失敗。ただし、作戦的には満塁策しかない」「『ありえない』とは思わない」と支持する声も見られた。
高木氏は大山と勝負した理由について「中嶋監督の頭の中で大山をここで押さえつけておこうと思ったと思う。わざと大山と勝負に行ったと思う。なぜかというと昨日も『1本あそこで打っておけば』というところで打てなくてゲームセットになった。今日はゲッツーを打ったら完全に(残りの)シリーズ、大山はいないものだと思っていいと思ったと思う。精神的に耐えきれないだろうと」と推測し、次のように続けた。
「オリックスもチャンピオンチームだけにしたたかな策を取ってくる。中嶋監督は度胸が据わっている。仮に落とすことがあったとしても大山と勝負にいって大山を『逆シリーズ男』にしてしまおうという狙いもあったと思う」
阪神の強力投手陣から12安打を放つも3点に留まり僅差ゲームを落とした。高木氏は敗因のひとつにDH制がなかったことを挙げた。
「(オリックスの)大きなチャンスがピッチャーのところに回って来た。いつもだったら野手が打席に立っているところに。山崎福也(投手)は確かにバッティングが良いが、才木(浩人)を簡単に打てるかといったら野手でも大変だからなかなか打てない。そういう不運もあった。阪神はじわじわ追い詰めるオリックスの圧力を耐え抜いたけども重圧感があった」
2日に甲子園球場で行われる第5戦は、阪神が大竹耕太郎投手(28)、オリックスは田嶋大樹投手(27)が先発する。