インターンシップで採用されているのは3割弱
――しかし、学生のコメントを見ると、「学業の都合で予定が合わなかった」という声が半数以上に達します。学業を犠牲にしても、しっかりと日数をかけて参加しないと不安だという学生が多いようです。企業側にもっと工夫の余地がある問題でしょうか。
栗田さん 確かに、2日以上のプログラムに参加できなかった理由としては、「学業の都合で予定が合わなかった」という声が多くなっています。ただ、学生の本分は学業ですから、学業を犠牲にしてまで、キャリア形成支援プログラムに参加しないといけないということはありません。
限りある学生生活において、学業や部活、アルバイトなど、悔いの残らないようしっかりと打ち込むことはとても重要です。
2023年卒の企業への調査では、採用数に占める自社インターンシップの参加者は27%のみという結果となっています。つまり、全体採用数の約7割強が、インターンシップ以外のルートから、採用されていることになります。学生の皆さんには、学業に励んでいただきながら、参加可能なスケジュールで開催されるプログラムの参加を検討していただきたいと思います。
また、企業側の皆さんには、学生の学業に影響を与えないスケジュールでの開催や、実施期間を複数設定するなどの工夫をしていただき、学生が参加しやすい開催を検討いただきたいと思います。
――学生のコメントを見ると、「社員の生の声を聞きたい」「自分の能力を見極めたい」「職種への適性がわからない」といった悩みが多く聞かれます。こうした声を踏まえ、どういう心構えでプログラムに参加し、何に一番注目してその会社を見て、また、自分自身をどう見直していけばよいでしょうか。
栗田さん まずは、プログラムに参加する自分なりの目的を明確にして参加することが大切です。自分の軸がまだ明確になっていないという人でも、自分が好きなこと、興味があること、得意だと思うことなどから、仮の軸をいったん置いてみて、本当に自分の軸になりうるかどうかを確認してみることを目的にしてもよいと思います。
頭の中で、グルグル考えを巡らしていても、本当に自分にマッチするかどうかはなかなかわかりません。まずは、仮置きしてみた軸で、実際に目で見て、耳で聞いて、肌で感じたことから、本当に自分に合っている仕事なのか、職場なのかを確かめてみてください。
いろいろ体感する中で、どんどん仮軸をチューニングしていければ、本当に自分が大事にしたい軸が見えてくると思います。