AKB48が世界各地で姉妹グループの展開を進める中、グループとして初めてアジアを横断するユニット(派生グループ)を発足させることが2023年10月29日に発表された。
グループ名は「Quadlips」(クアドリップス)。日本、インドネシア、タイ、フィリピンの4か国から、海外進出を望むメンバーを集めた。日本からは名古屋を拠点に活動するSKE48の青海ひな乃さん(22)が参加する。拠点はタイ・バンコクに置く予定で、インドネシアの報道によると、リーダーはインドネシア出身のメンバーが務める。青海さんが発表した談話によると、海外経験は全くないが「割と即決で行くことを決意」した。「この(編注:SKE48での)5年で学べたことを活かして更に大きくなって帰ってきたい」と意気込んだ。
海外経験なくても「割と即決で行くことを決意」
AKB48の海外姉妹グループのライセンス事業は、AKSから改称したVernalossom(ヴァーナロッサム)が運営してきたが、23年4月、子会社のSuperball(スーパーボール)に事業を譲渡。日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)を運営した経験も生かしてSuperballがQuadlipsを立ち上げた。23年11月からバンコクで活動を始め、24年1月に「全世界デビュー」を予定。「東南アジアをベースに多種多様なカルチャーを取り入れた活動を計画」しているという。
青海さんは9月25日の劇場公演で、「音楽活動の拠点を海外に移す」ことを発表しており、その具体的内容が明らかになったことになる。青海さんは、SKE48のシングル「絶対インスピレーション」(22年10月発売)でセンターポジションを務めたこともある中心メンバーのひとりだ。QuadlipsではHINAを名乗って活動予定で、
「私の人生の中で海外で仕事をする経験があると思っていなかったので、こんな素敵なチャンス逃したくない!と思い、割と即決で行くことを決意しました」
「初めてSKE48という輪から一歩外の世界に出るのは不安もありますが、この5年で学べたことを活かして更に大きくなって帰ってきたいと思っています」
などと意気込む談話を出した。
「活動を通してストリートカルチャーも共有」
青海さん以外のメンバーは、JKT48(ジャカルタ)のFENIさん(24)、BNK48(バンコク)のFAMEさん(19)、MNL48(マニラ)のCOLEさん(21)。グループのインスタグラムには、4人がそろって英語であいさつする動画が公開されている。
インドネシア紙のジャワポスは10月30日にFENIさんのインタビューをウェブサイトに掲載し、
「Quadlipsのリーダーを任されたので、良いリーダーになれるように頑張りたい」
といった発言を報じている。48グループのコンセプトの違いについては
「今まで48グループがやったことのないことをやるので、少し違うものになる。活動を通して、ストリートカルチャーも共有していく予定」
だと説明。青海さんが一時的にSKE48の活動から離れるのとは対照的に、ジャカルタとバンコクを行き来して2グループの活動を両立させたい考えだ。
「JKT48のスケジュールとQuadlipsのスケジュールは、すべて話し合っている。個人的には、QuadlipsとJKT48の両方の活動を同時に行うので、時間のやりくりが難しいということはない」
東南アジアに渡った48グループメンバーとしては、JKT48を経てインドネシアでタレントとして活躍する仲川遥香さん(31)や、タイ・チェンマイの「CGM48」でメンバーと支配人を兼務する伊豆田莉奈さん(27)が知られている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)