「マッチングアプリで出会う」20代は「家族や友人からの紹介」より多い カップル成約率5割超の理由

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   マッチングアプリが「恋活」や「婚活」のツールとして当たり前になってきたようだ。

   モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2023年10月12日に発表した「2023年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」によると、20代では「出会いの場」の2位に浮上した。

   カップルの成約率も5割を超える。なぜ、これほど人気があるのだろうか。調査担当者に聞いた。

  • マッチングアプリの出会いに期待したい」(写真はイメージ)
    マッチングアプリの出会いに期待したい」(写真はイメージ)
  • (図表1)現在のパートナーと出会った場所や手段(MMD研究所調べ)
    (図表1)現在のパートナーと出会った場所や手段(MMD研究所調べ)
  • (図表2)マッチングアプリ内容理解者の利用経験(MMD研究所調べ)
    (図表2)マッチングアプリ内容理解者の利用経験(MMD研究所調べ)
  • (図表3)利用経験のあるマッチングアプリ(MMD研究所調べ)
    (図表3)利用経験のあるマッチングアプリ(MMD研究所調べ)
  • (図表4)マッチングアプリを自分の子どもにも勧めたいか(MMD研究所調べ)
    (図表4)マッチングアプリを自分の子どもにも勧めたいか(MMD研究所調べ)
  • マッチングアプリの出会いに期待したい」(写真はイメージ)
  • (図表1)現在のパートナーと出会った場所や手段(MMD研究所調べ)
  • (図表2)マッチングアプリ内容理解者の利用経験(MMD研究所調べ)
  • (図表3)利用経験のあるマッチングアプリ(MMD研究所調べ)
  • (図表4)マッチングアプリを自分の子どもにも勧めたいか(MMD研究所調べ)

20代~30代の3割「子どもにも勧めたい」

   MMD研究所のインターネットアンケート調査(2023年9月22日~9月27日)はスマホを所有する20歳~69歳の男女2万9350人が対象。さらに、そのうち主要なマッチングアプリである「Pairs」(ペアーズ)、「Tinder」(ティンダー)、「タップル」、「Omiai」(お見合い)、「with」(ウィズ)の利用者を各200人ずつ選び、詳しく聞いた。

   まず、現在結婚している、または恋人がいる2万1549人に、現在のパートナーと出会った場所や手段を聞くと、「職場や学校での出会い」(37.9%)が最も多く、次いで「友人や家族からの紹介」(19.3%)、「マッチングアプリ」(4.4%)となった。「マッチングアプリ」は約20人に1人と、必ずしも多くない。

   しかし、年代別で見ると、20代では「マッチングアプリ」(16.1%)が2位に急浮上、約6人に1人の割合だ。30代でも9.6%と、約10人に1人のキューピッド役を務めている【図表1】。

   スマホを所有する2万9350人に、「マッチングアプリを知っているか」と聞くと、約4人に1人(25.8%)が、「サービス内容を知っている」と答えた。20代では45.0%、30代でも36.0%に達した。

   「サービス内容を知っている」と答えた7577人を対象に、利用経験の有無を聞くと、「現在利用している」(12.9%)と「過去に利用していた(現在は利用していない)」(26.7%)と合わせて約4割(39.7%)に利用経験があった。

   年代別で見ると、利用経験は20代が5割超(54.8%)、30代が5割(50.4%)40代が約3割(33.4%)と、20代~30代に多い傾向にある【図表2】。

   ところで、マッチングアプリはどこが人気なのか。利用経験がある3007人に聞くと(複数回答可)、「Pairs」(46.6%)がダントツに多く、次いで「with」(23.7%)、「タップル」(21.3%)、「Omiai」(18.6%)と続いた【図表3】。

   交際にまで発展するマッチングアプリの「成約率」を聞くと、アプリで出会った人と付き合ったことがあると答えた人は54.1%となった。特に、女性の「成約率」が高く、約6割(57.8%)に達した。

   調査では最後に、「自分の子どもにもマッチングアプリを勧めたいか」と聞いている。約2割(18.1%)が「勧めたい」と答えており、その理由として「普段出会えない人と出会えるから」「効率良く出会いたい人を探せるから」などをあげている【図表4】。

   ここでも、20代(29.4%)と30代(26.0%)に子どもにも勧めたい人が多い結果が出た。30代以下の世代にとって、出会いのツールとして、なくてはならないものになってきているのか。

コロナ禍のオンライン出会いに慣れ、違和感が薄く

   J-CASTニュースBiz編集部は、MMD研究所の調査担当者に話を聞いた。

――明治安田生命が2022年11月22日の「いい夫婦の日」に合わせて発表した調査でも、2022年に結婚した5人に1人(22.6%)がマッチングアプリの出会いがきっかけだったと答えています。

今回、マッチングアプリの認知度が25.8%、そのうち利用経験者が39.7%という結果をどうみますか。マッチングアプリが恋人獲得の方法として一般化したと思いますか。

調査担当者 調査の全体感としては、知っている人(認知)が4人に1人で、そのうち利用経験は約4割ですから、すごく高い数値とは言えないと思います。ただ、年代別にみると、20代は認知が45.0%、30代は36.0%、そして利用経験がともに5割を超えていますから、20代~30代に限ると、恋人探しの方法として定着しつつあると考えられます。

――特に20代では、マッチングアプリが、出会う場所として「友人や家族からの紹介」を追い越して2位に浮上しています。広がっているのは時代の趨勢なのでしょうか。

調査担当者 コロナ禍でマッチングアプリの利用が増えたと考えられます。弊社の2021年9月調査では、コロナ前とコロナ後の出会いの手段を聞いていますが、コロナ以前は「職場や学校での出会い」「友人や家族からの紹介」が上位にきていましたが、コロナ後には「マッチングアプリ」が上位にくる結果となりました。

調査時期が緊急事態宣言中だったこともあるのでしょう。外での出会いができなくなり、オンラインでの出会いに移行した人が多くいると思われます。そのため、オンラインでの出会いに慣れた人たちが、違和感なくマッチングアプリを利用していると考えられます。

個人的には、私自身も利用経験があります。何名か実際にお会いしましたが、付き合うまでには至っていないです。

――しかし、マッチングアプリにはトラブルがつきものですよね。2022年10月にMMD研究所が発表したマッチングアプリの調査(2022年マッチングサービス・アプリの利用実態調査)では、「すっぽかし・ドタキャン」「顔写真加工」「性行為が目的だった」などのトラブルが上位にあげられました。

2022年12月に国民生活センターが発表した調査(「愛してるから投資して」っておかしくない!?-マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト-)でも、詐欺に遭いやすい危険性が指摘されています。こうしたマイナス面についてはどう思いますか。

調査担当者 オンラインでの出会いでは、現在、マッチングアプリが主流になっているため焦点が当てられがちですが、SNSなどの出会いでも同じようなトラブルは起きています。初めての人と1対1で会うことはトラブルが起きやすいので、マッチングアプリに限らず、出会い全般に注意する必要があると考えています。

出会いに積極的な人が多いので成約率が高い

――マッチングアプリの成約率が全体で5割超(54.1%)、女性では6割弱(57.8%)という数字をどうみますか。私は個人的に、なぜこんなに高いのかと驚いているのですが。

調査担当者 弊社でも「高いな」と話題になりました。そこで、利用しているほかのメンバーにも聞くと、前提として、みな恋人がほしいから、マッチングアプリを活用している。もともと出会いに積極的な人が多いため、成約率が高いのではと考察しております。

――多くあるマッチングアプリの中では、「Pairs」の人気と成約率がダントツに高いですが、ほかと比べてどういう魅力が評価されているのでしょうか。各サービスに得手、不得手とか得意分野などの違いがあるのでしょうか。

調査担当者 「Pairs」の人気が高いポイントしては、やはり老舗としての会員数の多さがあると思います。公式サイトを見ると、「累計登録者数2000万人突破!」とあります。母数が多ければ多いほど、出会える確率が純粋に上がると考える人は少なくないと思います。

日本でのマッチングアプリの歴史をひもとくと、2012年10月に「Pairs」がスタート、2014年に「タップル」「with」と続いています。「Pairs」は、いち早く「オンラインでも恋人探しができる」と、「恋活」「婚活」を目指している人たちにアプローチできた点が大きいのではないでしょうか。

(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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