ジャニー喜多川氏=2019年に87歳で死去=による性加害問題をめぐり、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)から独立した形で設立される新会社の社長に、東山紀之氏が就任しない公算が大きくなった。2023年10月30日深夜に週刊文春が報じ、各社からも10月31日にかけて同様の報道が相次いだ。
東山氏は10月2日の記者会見で、SMILE-UP.と新会社の社長を兼務する考えを示していたが、これを一転させた形だ。代わりにクローズアップされているのが、俳優・のんさん(30)のエージェントを務めるコンサルティング会社「スピーディ」の福田淳社長。福田氏は23年9月にJ-CASTニュースの取材に応じた際、制作・送信を一手に握るテレビ局の立場が強く、タレントの立場が弱い構造が「日本の芸能界を近代化させない要因」で、監督官庁の関与が必要だとする考えを示していた。新会社についても「負の遺産を引き継がないで、日本のエンタメを引き続き牽引していってほしい」などと話していた。
文春「名前が急浮上」、スポニチ「就任する方向で固まった」
東山氏は10月2日の記者会見で、新会社はタレントが個人的に契約を結ぶエージェント制をとると説明。若手タレントは「新会社に『所属』することもできる」とした。
新会社の社長をめぐっては、週刊文春が31日未明、ウェブサイトで福田氏について「名前が急浮上している」、スポーツニッポンも「就任する方向で固まった」と報じていた。
福田氏はソニーグループで「ハリウッド10年、日本のテック系10年」の経験がある。J-CASTニュースのインタビューでは、ハリウッドと対比させる形で、日本ではタレントの立場が弱いことを指摘。
「タレントがギャラの交渉も知らなければ、契約に噛むこともできないというのは、僕からすれば驚くべき事実でした。年端もいかない人を地方から連れてきて『訓練してあげよう』なんて言っているうちに、奴隷契約に持ち込んでしまう。公正取引上、非常に問題がある、優越的地位の濫用だと思います」
などと話していた。具体的には、制作・送信を一手に握るテレビ局の立場が強く、タレントの立場が弱い構造が「日本の芸能界を近代化させない要因」だとして、芸能事務所について
「監督官庁が主導して、フェアな取引を可能にするためのビジネスライセンス制度にすべき」
などと訴えていた。経営陣は入れ替えが必要だとしていた。
「ある程度グローバルスタンダードの経営がわかっている人がこの分野に入ってこないと、正常化は難しいのかなという気はしています。悪しき慣習を改めるためには、経営陣が入れ替わらないとだめですね」