「投票に行こう」だけでは「あまり意味がない」 最年少26歳・髙島芦屋市長が考える「若者の政治参加」

持続可能な発展モデルは「人」と「環境」がキーワード

―― 他の都市に波及するか、試金石になりそうですね。もう少し中長期なお話もうかがいます。過去のインタビュー(Forbes Japan、23年8月)では、日本のプレゼンスを再び向上させる必要性に言及しています。そのためには「10万人程度の都市で持続可能な発展のモデルをつくること」が必要、だと話しています。

髙島: 持続可能な発展ということで言うと、「人」と「環境」の2つの観点があると思っています。前者の「人」は、まさに今日お話ししているような教育の話です。芦屋の場合は、あえて言うと、一生芦屋にずっと居てほしいから教育に力を入れるわけではありません。人間って外を見たいじゃないですか。広い世界を見たいというのは人間の本能のようなものです。工藤さんは福岡から東京の大学に進学されましたし、私も米国の大学に進学しました。「一生芦屋に居とけ」みたいなことは言えませんし、広い世界に飛び立って活躍してもらうことは歓迎です。

芦屋市の場合20代前半で一気に人口が流出していますが、それは自然なことです。その上で、大きくなって子育てしたいなと思ったタイミングで「そういえば芦屋の学校よかったな」とか「あの環境でもう1回自分の子どもを育てたいな」と思ってくださる方がどのくらいいるかが大事で、そこが重要なKPI(重要業績評価指標)だと思っています。その意味で、持続可能な人口構成を考えると、質の高い教育で芦屋に対する思い、ふるさと意識のようなものを醸成させることがまず大事だと思っています。

―― 「環境」についてはいかがですか。

髙島: 芦屋は自然環境が充実しているのに都会に近い点が大きな特徴、売りです。ここをどう守り続けていくか、綺麗な街並みをどう守り続けていくかが大事です。例えば山の方に行けば車で10分で国立公園ですし、海も10分以内。そうかと思えば(JRの)新快速が止まるので大阪まで15分、神戸まで10分です。こんな環境は珍しいので、この地理的な優位性を生かしたまちづくりを続けていきたいです。それに加えて、街路樹、道路がすごく美しい。これは朝早起きして掃除してくださる市民の方々のおかげです。

この「人」と「環境」の観点が芦屋の魅力であり、持続可能なまちづくりに大いに資すると考えています。一見芦屋にしか活かせないように見えるかもしれませんが、「人」と「環境」を大切にする街は、長続きすると思うんです。住み続けたくなりますもんね。

大学では自然エネルギーを学んでいたので、ゆくゆくはエネルギー政策も絡めて、持続可能な街のモデルを作り上げたいと考えています。
姉妹サイト