コーヒーが2050年に飲めなくなったら 気候変動で「アラビカ種」栽培地半減、供給不足の最悪のシナリオ

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持続可能な調達に取り組む

   J-CASTニュースBiz編集部は、缶コーヒー「BOSS」シリーズを販売するサントリー食品インターナショナル(本社・東京)を取材した。すると、コーヒー豆の高騰はもう始まっていると広報は答えた。

   サントリーグループでは現在、持続可能な調達をするため、「サステナブル調達」に取り組んでいる。コーヒー豆生産者が低賃金になる傾向を指摘しながら、長時間労働の削減や、生活賃金を保証。調達における持続可能性を原材料サプライヤー、製造委託先、物流協力会社に周知し、人権リスクの高い原料があると確認した場合、購買活動を見直し、リスクの軽減に努めているとした。

   キーコーヒー(本社・東京)は、2022年にコーヒー豆のメーカー出荷額を引き上げた。これ自体は、コーヒー生産国の気候変動が直接影響しているとは言い切れないとの話だ。一方で理由について、「2022年5月末よりコーヒーの最大生産国ブラジルでの霜害懸念に対して、コーヒー相場に投機筋が参入し、コーヒー生豆相場が高騰した背景があります」と、取材に回答した。つまりコーヒーの供給には、相場の影響も強くはたらく。2050年を迎えるまで、こうした事態が再発しないとも限らない。

   なお同社は2050年問題への対策について、WCRの「コーヒーの品種改良で世界を救う」との事業目的に賛同し、その活動に積極的に参加していると説明。また、コーヒーの産地であるインドネシアの直営農園の一角を試験圃場として提供し、WCRの実施する活動やIMLVT(多地域品種実証試験) など、気候変動に適応するコーヒーの品種開発にも協力しているという。

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