「財政非常事態宣言」東京と大阪の自治体にも 巨額の赤字、何がどう見直されるのか

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   地方自治体が経済的に、厳しい状況にあるようだ。山梨県市川三郷町は2023年9月、「財政非常事態宣言」を出した。決算における実質的な収支は5年連続の赤字を計上、このままでは7年後に町が財政破綻するとして、抜本的な改革の必要性を町民に訴えた。

   市川三郷町も含めて、「財政非常事態宣言」を出している自治体は全国で9市町村に上る。財政再建に取り組む自治体の現状を探る。

  • 自治体の貯金である基金を取り崩す自治体も…
    自治体の貯金である基金を取り崩す自治体も…
  • 2036(令和18)年には82億円の赤字と試算(出典元:阪南市)
    2036(令和18)年には82億円の赤字と試算(出典元:阪南市)
  • 2020(令和2)年度の市税収入との差額は378億円にも(出典元:日野市)
    2020(令和2)年度の市税収入との差額は378億円にも(出典元:日野市)
  • 自治体の貯金である基金を取り崩す自治体も…
  • 2036(令和18)年には82億円の赤字と試算(出典元:阪南市)
  • 2020(令和2)年度の市税収入との差額は378億円にも(出典元:日野市)

全国の9市町村が財政危機

   大阪府阪南市がウェブサイトで公開している資料によると、2023(令和5)年度までに財政非常事態宣言を発出しているのは以下の自治体だ。

●財政非常事態宣言を発出している自治体
宮城県涌谷町(2019年)
埼玉県新座市(2020年)
東京都日野市(2020年)
宮城県村田市(2020年)
大阪府堺市(2021年)
奈良県橿原市(2021年)
静岡県裾野市(2021年)
大阪府阪南市(2021年)
山梨県市川三郷町(2023年)

   大阪府阪南市のケースを見てみよう。同市の財政シミュレーションではこのままの自治を続けると、2032年には約33億円の赤字財政で、北海道夕張市のような財政再生団体になり、2036年度には約83億円の収支不足が発生する推計となっている。

   そこで2021年に「行財政構造改革プラン改訂版」を発表した。このなかで、総人件費の適正化、自主財源の確保・拡充、税収等の確保、事務事業の見直し、公共施設の再構築など、構造改革の具体的な方策を策定した。

   特に、「総人件費の適正化」では職員の大量退職時期を見据えながら、DX化の推進、施設の統廃合、指定管理者制度の導入などでの効率的な業務処理体制の効率を求めている。給与費などの抑制によって2022~24年に5700万円の経費縮減を考えており、財政調整基金15億円(標準財政規模の10%+α)以上とすることをゴールとしている。

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