AIの進化で「コンタクトセンター」の仕事は消えるか 人をゼロにする努力より早道なのは

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「オペレータ支援」へのAI利用を目指す海外企業

   AIは、人間の業務を確実に侵食している。人による設定は必要だが、ハイパフォーマーな人間の知識やプロセスを教え込むことで、「並の人間よりいい仕事をする」人工知能を作ることもできる。

   一方、海外企業では日本企業と異なるAIの使い方をしているようだ。デロイトトーマツグループが2023年8月に発表した調査結果によると、コンタクトセンターのAI導入に関する「重点領域」は、チャットボットなどの「セルフサービスの拡大」と「コンタクトセンターのインフラ刷新」が上位である点は、日本も海外も共通している。

   しかし、海外企業では3位(11%)だった「オペレータ支援機能の導入」は、日本では8位(2%)と低い。この理由について、調査元のデロイトトーマツグループの住川誠史パートナーは次のようにコメントしている。

「(日本企業のコンタクトセンターは)海外企業と比べて『オペレータ=人』への投資に渋りが見られる。サービス品質を現場で支えているのはオペレータであり、従業員体験(EX)の向上が顧客体験(CX)向上につながる好循環を生み出すべく、人の代替でなく人の力を最大化するテクノロジーへの投資を強化すべき」

   AIに完全な回答をさせ、人をゼロにする努力をするより、AIで人を効率的・効果的にサポートして業務の質や量を高める方が現実的だし早道である。AIとどのような付き合い方とするか、今後日本企業で問われていくのかもしれない。

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