オリックス「ドラフト4位まで高校生」なぜ踏み切れた? 戦略の背景は...独立L監督が指摘する「スカウトと現場の連携」

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   プロ野球オリックスのドラフト指名がインターネットなどで話題になっている。2023年10月26日に都内で行われたドラフト会議で、オリックスは横山聖哉内野手(上田西高)を1位指名したのをはじめ、上位4位までを高校生で占めた。他球団が即戦力を求め社会人、大学生を上位で指名する中で際立った。

  • オリックスの本拠地・京セラドーム
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「オリックスの現有戦力が充実している証」

   オリックスのドラフト戦略はインターネットで注目を集め、X(旧ツイッター)には「完全に未来に振ったな」「一部ドラフト界隈からめちゃくちゃ評価されそう」「もう100点に近いんじゃないですか」などのコメントが寄せられた。SNSでなぜ評価されたのか。楽天でヘッドコーチを務めた橋上秀樹氏(57)はJ-CASTニュースに対し、独自の視点から見解を述べた。

   オリックスは横山を単独1位指名し、2位・河内康介投手(聖カタリナ高)、3位・東松快征投手(享栄高)、4位・堀柊那捕手(報徳学園高)を指名。5位から7位まではいずれも社会人の投手で、育成は5選手を指名した。

   橋上氏は「社会人や大学生が上位に来るのが多い中で、高校生をこれだけ上位に集めたということは非常に特徴的です」とし、高校生を上位で指名した理由を解説した。

   「オリックスの現有戦力が充実している証。質、年齢的にある程度中長期的な視野で見た時に数年間は今の主力で大丈夫だろうということで、特に即戦力に近い選手を補強する必要性を感じていないのでしょう。野手、投手ともにまだまだこれからという選手が多い。他チームと比べると、よほどのことがない限り優位に戦える戦力を持っている」

「フロントが長いスパンで物事を考えて選手を獲得」

   さらに「思い切った戦略に踏み切れるのは根拠がある」とし持論を展開した。

「戦力的なものが裏付けとなってこのようなドラフト戦略を立てることができる。福良(淳一)さんがGMになった頃から、フロントが中長期的に選手の獲得、育成をしてきた。スカウトは社会人や大学、高校と色々なカテゴリーに足繁く通っている。メリハリが効いているという意味では本当に現有戦力を把握してフロントが主体となってチーム運営をしてきたから思い切ったことができるのでしょう。フロントが長いスパンで物事を考えて選手を取っている」

   独立リーグ・新潟アルビレックスBCの監督を務める橋上氏によると、オリックスのスカウトは12球団の中で最も多く独立リーグに足を運んでいるという。

「これだけ高校生を上位で固められるというのは、選手の目利きに対するよほどの自信があるのでしょう。実際、自前で取ってきた高校生が1軍で活躍している。スカウトした選手の素材も良く、スカウトと現場の連携が取れている。選手の特性を理解して育成につなげていると思う。取ってきたスカウトと育成に携わっている監督、コーチの意見調整ができていて同じ方向性を共有していると感じます」

   そして「チームが近年良い状態で勝ってきているということで、ファンは今回のようなドラフト戦略に納得するでしょうし、現場も受け入れる」とし、「高校生4人を上位で指名しても評価が高いというのは結果が出ているからこそ。高卒の選手を一流に育ててリーグで勝てることを実証している。チームの戦略や育成力を反映するのがドラフトです」と語った。

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