日本のテレビ番組に出演したことが波紋を広げたジャーナリストの重信メイ氏が、イランの国営国際放送「プレスTV」のニュース番組にリモートで出演し、持論を展開した。パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織、ハマスがイスラエルに大規模な攻撃を仕掛けた問題をめぐり、改めてパレスチナ側に武装闘争を含む抵抗の権利があることを強調した。
イランは、長年にわたってハマスを支援していることで知られている。
「不正義が法になるとき、抵抗は義務になる」の意味
重信メイ氏は、国際テロ組織、日本赤軍を率いた重信房子・元最高幹部の娘として知られる。10月23日付でウェブサイトに掲載された番組の動画によると、司会者はこの点に触れず、重信氏を「ジャーナリスト、プロデューサー、アクティビスト(活動家)」と紹介した。
重信氏は、X(旧ツイッター)のトップページに、英語で「不正義が法になるとき、抵抗は義務になる」と掲げている。司会者が「このスローガンが、イスラエルとパレスチナの紛争に、そのように当てはまるのか」を質問し、重信氏は次のように説明した。
「自由はどんな人間にとっても譲ることのできない権利だと信じている。パレスチナ人であれ誰であれ、自由は獲得しなければならないものではなく、奪うことのできない権利だ。その自由が奪われたとき、国連でさえ、武力闘争を含む抵抗の形態の一つとして、占領や不正義に抵抗する権利があることを認めたり、話題にしたりしている」
こういった論点は過去の国連決議にも盛り込まれたことがあるとして、
「世界は国連決議、つまり人権の一部としての総会決議に目をつぶっている。そして、誰もがイスラエルの自衛権について語っている。しかし私にとっては、非常に奇妙に聞こえる。占領者に自衛権はないからだ。占領されている人々には自衛権がある」
とも話した。
重信氏が挙げた「日本人にとっての次の段階」
司会者が日本との関係について触れる場面もあった。その一例が、日本でもイスラエルを非難しパレスチナに連帯するデモが起こっている点だ。司会者は
「イスラエルを支持する(日本)政府は、発生した抗議行動の数に圧倒されていると思うか」
と、デモが与えた影響について質問。重信氏は「パリやロンドンのデモほど大きくない」としながら、日本でもパレスチナで起きている出来事に対する関心が高まっているとして、「日本人にとっての次の段階」として
「選挙区の政治家たちに、パレスチナ問題に対してより積極的で公平な政策に変えていくよう求めること」
を挙げた。日本メディアの報道ぶりは「両方の側面を取り上げようとする意識が強くなってきている」とみる。日本政府については、ガザ地区の住民に対して総額1000万ドル規模の緊急人道支援を打ち出したことを念頭に、
「中立とまでは言えないまでも、パレスチナに対してさらに『魅力的』な決定を下し始めている。しかし、影響力を持つためには、街頭でさらに活動が必要だ」
と話した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
ジャーナリスト #重信メイ 氏「自由はすべての人間にとって奪うことのできない権利だ」
— ParsTodayJapanese【公式】 (@ParstodayJ) October 26, 2023
「これは????????#パレスチナ 人だけでなく 誰にとっても生まれながらにして持つ権利だ」
「この自由が奪われれば武力で抵抗する権利があると 国連も認めている」????https://t.co/EJOVRWbll1@MayShigenobu #Gaza pic.twitter.com/3CiCCfi6ED