過去にも海外「迷惑系」が問題化
両者が指摘しているのは、9月に「ジョニー・ソマリ」ことイスマエル・ラムジー・カリド容疑者が建設現場に不法侵入したとして建造物侵入の疑いで逮捕された件だ。それ以外にも同容疑者は多数の迷惑行為を繰り返しており、10月には牛丼チェーン「すき家」で大音量の音楽を流したとして、威力業務妨害の疑いで再逮捕されている。
17年には、米国のユーチューバー、ローガン・ポール氏が山梨県・青木ヶ原で自殺者とみられる遺体の動画を投稿。笑みを浮かべたり叫んだりしたりしたことが死者への敬意を欠くとして批判が相次いだ。ポール氏は謝罪し動画は削除されたが、それまでに数百万回再生された。この件以外にも多数の迷惑行為が問題視された。
ガーディアンは、前出の「日本の評判を悪用していると非難する声」が出ていることに関連して、
「人気の観光スポットでの過密状態や、路上での飲酒やゴミのポイ捨てといった悪質な行為を受け、政府はオーバーツーリズムを減らすための対策を練っている。鉄道運賃の大幅な引き上げや、あまり知られていない地方への誘客キャンペーンなどだ」
とも指摘している。一連の事案の背景にはオーバーツーリズムもあるとみているようだ。
10月18日の観光立国推進閣僚会議では、岸田文雄首相が
「インバウンドの宿泊先は3大都市圏が7割で、一部の地域や時間帯によっては、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念も生じている」
と発言している。この発言も、複数のメディアが伝えている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)