「週休3日制」でも給料は同じ 「賃上げ」できない会社の最終兵器に?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

人事院が国家公務員の「週休3日制」導入を勧告

   なお、大手信販会社の場合、「週休3日制」は人材獲得競争が厳しい一部の職種だけで特別に募集を行っている。人手不足の中、少しでも働く環境の魅力を打ち出して、差別化を図りたいねらいがあるようだ。

   「週に2日も会社を休むなんて」――。そんな昭和の企業戦士の嘆きも、遠い昔だ。土曜日午前中の「半ドン」勤務が一般的だった時代に、銀行が1989年に導入すると、1990年前後に他の企業へとも「週休2日制」が急速に広がっていった。

   それから30年あまり。パソコンやインターネット、スマートフォンの業務への活用で、生産性は格段に上がったはずだ。しかし、依然として労働時間は変わらず、平日の昼間のほぼすべてを会社に捧げ、代わりに人生を会社に丸抱えしてもらう思想は変わっていない。

   一方で、今年8月には人事院が、2025年4月から国家公務員の「週休3日制」を導入するよう、内閣と国会に勧告。変化はじわじわと起こりつつある。

   なお、これまでの日本の「週休3日制」は、労働日数が5日から4日に減るのに合わせ、給与も20%減らす場合が多かった。しかし「失われた30年」で給与が上がらないうえ、昨今の物価高を考えれば、給与を変えずに休日を減らし、実質的な大幅賃上げを図ってもいいくらいなのかもしれない。

   実際、外資系など一部の企業では、「生産性100%維持」を前提に、給与を維持しながら週休2日を3日に増やしたところもあるという。月の労働時間が短縮されれば、実質的な賃上げとなる。

姉妹サイト