日本野球機構(NPB)は2023年10月23日、フリーエージェント(FA)有資格者106人を公示し、西武・山川穂高内野手(31)が新たに国内FAの資格を得た。去就が注目される中、スポーツ紙の報道によるとソフトバンクが山川獲得へ調査を開始したという。山川はFA権を行使して移籍するのか。西武でコーチを務め、山川を指導した橋上秀樹氏(57)はJ-CASTニュースに対し、山川の人間性を踏まえ見解を述べた。
「ソフトバンクの条件を含めて間に割って入るのは難しい」
今季は不祥事の影響で5月11日のロッテ戦以降出場がなく、17試合の出場に留まった。現在はフェニックスリーグに参加し、若手たちとともにプレーしている。故障者特例措置に伴い国内FA権を取得したが、不祥事の影響で権利を行使するかは不透明な状況にある。
橋上氏は「戦力として考えるのならば欲しい球団はいくつかあると思います」とし、「山川選手がFA権を行使してソフトバンクが名乗りを上げ、相思相愛的な感じになると金銭的に他の球団は太刀打ちできない。おそらく山川選手はソフトバンクに行きたいという気持ちはあると思いますし、ソフトバンクの条件を含めて間に割って入るのは難しいでしょう」との見解を示した。
ソフトバンクは今季3位でクライマックスシリーズ(CS)に進出したものの、ファーストステージでロッテに1勝2敗で敗れた。22日には森唯斗投手(31)ら7人と来季の契約を結ばないことを発表。V奪回に向け小久保裕紀新監督(52)のもと新たなチーム作りに着手した。
橋上氏は「現状のソフトバンクを見ると、山川選手は欠けたピースに当てはまる。戦力が落ちてきているのは明らか。アジアプロ野球チャンピオンシップのメンバーにソフトバンクの選手が1人も選手されませんでしたが、今までのソフトバンクでは考えられないこと。ソフトバンクが置かれている状況が明らかになりました。山川選手が入る余地は十分にあると思います」と分析した。
西武残留の可能性も
西武でコーチとして3年間、山川を指導した橋上氏は、山川の性格を「律儀で繊細」と評し、FA宣言せずに西武に残留する可能性に言及した。
「チームに迷惑をかけたという思いもあるでしょうし、FA宣言を先送りにして来年目一杯頑張って数字的に恩返しをする。それからFAをする選択肢もあると思います。ここまで育ててもらったという恩義もあるでしょうから。山川選手は練習の虫で、野球への取り組み方は感心させられるものが多かったです」
今季1軍での出場は17試合だけだったが、橋上氏は試合勘に関しては問題ないとした。
「フェニックスリーグに出ていますし、オフシーズンになれば横一線になる。春の時点で普通にスタートを切れると思います。来シーズンまでたっぷり時間もありますし、オープン戦もあるので試合勘に関してはクリアできると思います。FAでソフトバンクに移籍した場合、同じパ・リーグなので1年のブランクはあるが対戦したことのあるピッチャーの方が圧倒的に多いでしょうから、それほど苦にならないと思います」