AKB48で最年長の柏木由紀さん(32)が2023年10月20日に東京・北の丸公園の日本武道館で開かれたコンサートで、グループからの卒業を発表した。コンサートは全3日間の日程で、初日終盤の発表だった。
AKB48は、これまでの活動の根幹でもあったチーム制を改めることを発表しており、今後のあり方が注目されてきた。今回のコンサートでは、2日目に新公演の実施、3日目に新規メンバーの募集を発表。23年に入ってから30人以上のメンバーが卒業を発表する中で、グループは転換期を迎えている。
柏木さんが2023年で35人目の卒業発表
AKB48は、A、K、B、4の4チームと、47都道府県からメンバーを1人ずつ集めた「チーム8」を軸に活動してきたが、チーム8は23年4月に活動を休止。このタイミングで、チーム8以外のチーム制とキャプテン制の「休止」も発表された。
制度変更を機に卒業を決意するメンバーも一定数いるとみられる。23年初めには80人のメンバーがいたが、23年に入ってから卒業を発表するのは柏木さんで35人目だ。そのうち16人をチーム8出身者が占めている。
コンサート初日はAKB48の歴史を振り返る趣向で、柏木さんや総監督の向井地美音さん(25)が中心になってセットリスト(曲順)を考えた。2日目は、劇場公演のために書き下ろされた305曲を対象にファンが投票し、上位30位をランキング形式で披露する内容だ。柏木さんのソロ曲「夜風の仕業」が1位に選ばれ、卒業ドレスを先取りしたかのような純白のドレスで熱唱。18年まで行われていた選抜総選挙の最高順位が2位(15年)だった柏木さんは、
「17年間で本当の本当に初めて、ファンのみなさんのおかげで1位という順位を本当に感謝しています!」
と喜びを爆発させた。
この直後に発表されたのが秋元康氏プロデュースによる新公演。「M.T.に捧ぐ」公演(16年2月初演)以来約7年ぶりで、劇場オープン18周年にあたる12月8日の初演を予定している。
3日間を締めくくった楽曲は「サステナブル」
3日目は18年以降の楽曲で構成。以前のチームの枠を超えた「チーム春(3~5月生まれ)」「チーム運動」「チーム勉強」といったユニークなメンバーの組み合わせでパフォーマンスし、アンコール後には、世代交代をうたった楽曲「Generation Change」も披露した。最新シングル「アイドルなんかじゃなかったら」(23年9月発売)でセンターポジションを務める小栗有以さん(21)は、終盤のあいさつで、グループを取り巻く状況について
「17年間もずっと続いているグループに在籍させていただくと、恵まれていたり嬉しいこともたくさんあれば、卒業だったり、メンバーがいなくなってしまったり、不安になることもたくさんあるんですけれども...」
などと言及。一瞬涙で言葉につまったが、すぐに立ち直って
「いろんな状況になっても、何度も立ち上がってきたのがAKB48だと思います。粘り強いグループがAKB48だとすごく感じています。これからもたくさんいろんな壁が立ち塞がって、すごく『どうしよう』となることもたくさんあると思うんですけど、でも、今のAKB48ならきっとこれからもAKB48を守り継いでいけると思います!」
と今後の活動を意気込んだ。
直後に、第19期生オーディションの開催を発表。新規メンバー募集の発表は22年10月以来1年ぶりだ。減少したメンバーを補充する狙いもあるとみられ、小栗さんは
「AKB48を盛り上げたいという強い気持ちがある方、お待ちしています!」
と呼びかけた。
3日間にわたるコンサートで最後の楽曲は、直訳すれば「持続可能な」を意味する「サステナブル」(19年)だった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)