「売れない」紙の書籍・雑誌 大規模郊外店、完全無人店舗で「本を売る工夫」を取材した

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本屋に行き慣れていない「ライトユーザー」取り込む

   駅ナカで、完全無人書店を営業している会社もある。

   東京メトロ銀座線/南北線の溜池山王駅構内にある「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」。2023年9月にオープンしたこの完全無人書店では、スマホなどを通じて支払うのが特長だ。

   同店は、東京メトロ、メトロプロパティーズ、日本出版販売(日販)、丹青社が連携して運営する。日販広報課担当者に、完全無人書店を始めたねらいを聞いた。

   お店のターゲットについて、日販広報課担当者は「駅を通勤で利用するビジネスパーソンで、彼らの生活導線上に書店との接点をつくることがねらいです」という。駅ナカゆえに「通勤前や帰り道にふらっと立ち寄り、溜池山王にマッチした旬の本をサクッと手に取れる」ことも魅力だ。

   今回、駅ナカに着目した点については、次のように説明する。

「全国的に書店が減少していますが、駅ナカや駅周辺は人流が活発で書店を求めている人が多くいると考えられるエリアは、多数存在すると考えております。しかし、駅近に立地していても売上に対して、人件費や賃料など運営コストが見合わず、閉店傾向にあるのが実情です。加えて、最寄り駅など生活導線上に本屋がなくなった、または本屋に行き慣れていない『ライトユーザー』を想定して店づくりを行っています」

   つまり、「完全無人によるローコスト運営」と「ライトユーザーにもやさしい店舗設計」がポイントだ。目指したいのは、「生活者と本の接点である書店という場所を守っていくこと」だという。

「将来的には、書店が抱えるかもしれない人件費の高騰や後継者不足といった課題に対応し、書店が抱える課題に対するソリューションのひとつとしてお取引先にご提案し、書店経営の持続性向上に貢献していきたいと考えます」

   なお、文科省の「21世紀出生児縦断調査」は全国の2001年に出生した子どものうち、1月10日~17日の間に出生した子(1月生)と7月10日~17日の間に出生した子(7月生)を調査対象としている。今回で第21回目。対象者の年齢は21歳だ。

   調査時期は2021年12月23日から2022年3月6日を1月生に行った。回答者は1万1466人におよぶ。また、7月生は2022年7月19日から2022年10月10日までで回答者は1万1406人となった。

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