「ネットスーパー」「在宅配食」含め群雄割拠に
ミールキット市場について、日本能率協会総合研究所が2020年8月に発表した調査結果では、2021年度の1600億円から2024年度には1900億円規模に拡大すると予想されている(図1)。
MMD研究所が2021年5月に実施した「ミールキットに関する利用実態調査」では、最も利用しているミールキットのサービスとして「Oisix」をあげた人が17.2%と最も多かった。次いで「コープデリ」の11.4%、「おうちCO-OP」の10.8%、「ヨシケイ」が10.3%、「パルシステム」が7.4%となっている(図2)。
驚くのはミールキット市場に参入している企業の多さで、この調査で実名をあげられたサービスだけでも18種類もある。
ハローフレッシュ・ジャパンは、日本市場撤退の理由として「同業他社との競合などから国内では思うようなシェアを獲得することができなかった」と振り返った。確かにこれだけの既存サービスの中で勝ち上がるのは容易ではなさそうだ。
また調査では、ミールキットを利用する理由として「時短になるから」(36.9%)がトップになっており、「新しい料理に挑戦できるから」(20.1%)や「バリエーションが豊富で選ぶのが楽しいから」(13.6%)を大きく上回った。このあたりも「HelloFresh」の読み違いがあった可能性がある。
家庭の食卓を支援するサービスは、ミールキットだけではない。「ネットスーパー」や「生協による個配」「外食チェーン・ファストフードの宅配」「宅配寿司」「宅配ピザ」に加え、高齢者などを対象とした「在宅配食サービス」もある。
矢野経済研究所が2023年9月に発表した調査結果では、2022年度に2兆5000億円を超えた「食品宅配市場規模」はその後も成長を続け、2027年度には2兆9000億円を突破すると予想している(図3)。コロナ禍で市場が急拡大した反動減が心配されたが、需要は高止まりしているようだ。