「故意ではない」「わいせつ目的ではない」言い分なぜ通る?
ツイッターでは、「性犯罪ではないか」との旨の声が多くあがっていたが「故意ではない」「わいせつ目的ではない」という言い分はどれほど考慮されるのだろうか。正木弁護士は次のように述べる。
「故意をもって体液をかけることと、わいせつ目的をもっていたことは、必ずしも直結するものではないので、注意する必要があります」
器物損壊罪は故意が必要な犯罪で、過失の場合には成立しない。逮捕されている現状から、「故意ではない」との言い分について、少なくとも捜査機関と令状審査をした裁判官は額面通り受け取っていないと指摘する。
わいせつ目的でないなら、どのような目的でこの行為を行ったのか説明しているはずだと推察。客観的に明らかな証拠とも見比べ、別の目的があったといえるのであれば、言い訳に聞こえる被疑者・被告人の目的が別にあると認定されるとする。
「そうはいっても、実際に捜査する警察官や検察官も我々と大きく異なる価値観をもっている訳ではないので、わいせつ目的がなかったという『言い訳』を簡単に信じられないことは同じです。殊更自分のことを悪く言えば別ですが、そうでない『言い訳』は、立件される犯罪の罪名にあまり大きな影響をもたないケースが多いです。『言い訳』が別の犯罪に当たらないとも限りません。裁判を通じた犯罪の認定について、安易な『言い訳』は無意味です」