タレントたちは世界の共通言語
――ところで、経済同友会の新浪剛史代表幹事が、「ジャニーズ事務所と取引することは、国際的な基準からみると非常な非難を浴びる」と、企業が同社のタレントを広告などに起用することを批判しました。
前島さん 全くその通りです。いくらタレントが素晴らしくても、犯罪行為を行ってきた会社と契約することは、話が別で、決して許されることではありません。大阪・関西万国博覧会のPRに、いまだにジャニーズのタレントを使っていることは、国際的にも問題かと思います。
ただ、ジャニーズのタレントが世界的にも輝いた存在であることは確かです。私の香港の友人が来日すると、一緒にカラオケを楽しみますが、彼らが歌うのはSMAPです。いわば、元ジャニーズタレントは世界の共通言語でもあるのです。ジャニー喜多川氏は、少なくても才能を発掘して、世界で通用するレベルに育てることには長けていたのでしょう。
今、日本では「工業」がダメになっています。かつては自動車が世界を席巻していましたが、現在、世界に通用して日本の人気が高まっているのはエンタメ、アニメ、漫画の分野。旧ジャニーズ事務所のエンタメは、ジャニー喜多川氏らの行状は別にとして「日本の宝」と言えます。経済界トップやメディアは、ただ叩くだけでいいのでしょうか。