プロ野球巨人・中田翔内野手(34)の去就に注目が集まっている。海外フリーエージェント(FA)権を保有しており、スポーツ紙などの報道によると権利行使を熟考しているという。権利を行使せず残留するのか、行使した場合、どこの球団が獲得に動くのか。巨人の戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)は2023年10月19日、J-CASTニュースの取材に「出場機会を求めてどこかに行くということが考えられます」として、移籍先候補を3球団あげた。理由とともに見解を聞いた。
「来季の出場機会は減っていく」
中田は21年シーズン途中の8月に無償トレードで巨人に移籍し、今季は92試合に出場し打率.255、15本塁打37打点を記録した。今季は秋広優人内野手(21)の台頭や、坂本勇人内野手(34)のサードコンバートなど守備の変更があり、シーズン中盤から出場機会が減少。9月18日のヤクルト戦が最後の出場となった。
スポーツ紙などの報道によると、中田は今季3年契約を結んだが、途中で契約の見直しや破棄ができるオプトアウトの条項を結んでいるという。
橋上氏は「今シーズンの終盤、チームのAクラスがかかってる中でもそれほど起用されている感じはなかった」と振り返り、「この状況を考えれば来季の出場機会は減っていくと思うのが普通でしょう。年齢を考えれば1年間そういう状況を受け入れる余裕はないでしょうから出場機会を求めてどこかに行くということが考えられます」との見解を示した。
年俸3億円(金額は推定)の中田は人的補償が生じるBランクとみられ、FA移籍に際してひとつのネックになる。
橋上氏は「右の大砲で守備が上手い。金銭面の問題さえクリアできればほしいというチームは多いと思います」とし、移籍先の候補として中日、ソフトバンク、楽天の3球団を挙げた。
ソフトバンクは西武・山川の動向次第
橋上氏は13年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に戦略コーチとして出場した経験を元に中日・立浪和義監督(54)と中田の関係性に言及。立浪監督は同大会の打撃コーチとして出場し、代表入りした中田を指導したという。
橋上氏は「中日は若返りを図りたいでしょうけど、現状若い選手だけではさすがに戦力的に足りません。急場しのぎで中田選手を獲得してファーストにもっていくことは十分に考えられる。立浪監督と中田選手は13年のWBCで一緒にやっている。当時、立浪監督はバッティングコーチとしてかなり熱心に中田選手を指導していた。そういった繋がりがある」と説明した。
ソフトバンクに関しては、FA権を保有し去就が注目されている西武・山川穂高内野手(31)の動向次第とした。スポーツ紙の報道によると、ソフトバンクは山川獲得に向けて調査に乗り出しているという。
橋上氏は「ソフトバンクは山川選手の保険として中田選手を考えている可能性がある。山川選手をFAで取るかどうか。ソフトバンクが何らかの理由で山川選手を獲得しなかった場合、中田選手に切り替えるかもしれません。攻撃力とファーストの守備力を考えればプラスに作用することが大きい。大きなケガもないし体も強そうなので、複数年の契約でも働けると思います」との見解を示した。
楽天は大阪桐蔭高校の後輩である浅村栄斗内野手(32)が所属していることもあり、環境的にも資金的にも可能性があるとした。
スポーツ紙によると、中田は19日にジャイアンツ球場で行われている秋季練習に姿を見せたという。