「ジャニーズ、私ならこう改革する!」コンプライアンスのプロに聞く(前編) 報告書があぶり出した「ひどい企業実態」

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北海道名物「白い恋人」立て直しに学ぶ

――旧ジャニーズ事務所を立て直すには、どうしたらよいと思いますか。

前島さん 過去の不祥事企業の再生ケースが参考になります。たとえば、北海道のお菓子の名物に石屋製菓(札幌市西区)の「白い恋人」があります。2007年に、「白い恋人」の賞味期限が不正表示されていたり、バウムクーヘンから黄色ブドウ球菌が検出されたりしたことが発覚しました。

同族経営にありがちな、衛生・品質管理体制の甘さや、賞味期限の不正表示に関する隠蔽体質が明るみとなり、不祥事としてメディアで大きく報じられました。

そこで、メインバンクの北洋銀行から取締役の島田俊平氏が新社長として乗り込んできました。島田氏は、社長就任と同時に「同族経営から脱却して社外の人材を登用し、甘い企業風土を変えたい」と経営陣を入れ替えます。

そしてわずか1週間で、問題点を検証するコンプライアンス確立委員会を設置。「マイナス要素もすべて公表し、その対策を包み隠さず愚直に伝えることで、信頼を取り戻す」と発表します。とにかく動きがスピーディーなのです。すぐさま、広報とは別の情報公開のための部署をつくり、対外的な情報発信を次々に進めます。

素晴らしいのは、これまで「白い恋人」の賞味期限は、菓子袋に表示していたのですが、ひとつひとつのお菓子の包み紙に表示したこと。小分けに配る人が多いことを考えたアイデアでした。

実は「白い恋人」は、観光客向けのお土産として、北海道以外では有名ですが、地元ではあまり食べなかったそうです。しかし、この頑張りと努力が北海道民の心を打って、北海道でも人気になったと聞きます。
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