痴漢や盗撮などを取り締まる「世直し系」YouTuberが覚せい剤を取引するとされる人物を私人逮捕したことについて、警察から「どういう権限を持ってやってるんですか」などと尋ねられて反論する動画が、SNSで物議を醸している。
この話題をめぐっては、痴漢や盗撮、転売などの行為を行ったとされる人物を私人逮捕する動画がYouTubeやSNSで多数公開されており、問題視する声が多く上がっている。
「それはどういう権限を持ってやってるんです?」
今回物議を醸したのは、YouTubeチャンネル「ガッツch」を運営するYouTuberの中島蓮さんだ。中島さんが2023年10月14日に公開した動画の一部のシーンが、10月17日ごろからSNSで拡散し「実力行使を勝手にするな」「間違った正義を振りかざしてる」などと物議を醸している。
14日の動画は、覚せい剤を取引する人物がいると情報提供を受けた中島さんが取引現場に向かい、情報を警察に話すシーンから始まる。その後、取引するとされる人物に「交番行きましょう」と話しかけ、立ち去られそうになると羽交い絞めにして取り押さえた。
SNSでは、その人物が覚せい剤の取引をする確証はあるのかと尋ねる警察官に対し、中島さんが答えるシーンの一部が拡散し物議を醸している。その動画では、「あなた達が信憑性を感じただけですよね」などと話す警察官に対し、中島さんは「何が言いたいんですか」と質問する。
その後、警察官が「我々と違うから、それは分かってます?今回、あなたたちはそういうことをしたってこと」などと話すと、中島さんは「何が言いたいんすか、マジで。圧倒的に俺たちの方が早かったんすよ!情報提供したけど!」と怒鳴った。
警察官はなだめつつも「あなたがしたことを聞きたかった」と述べると、中島さんは「それが暴行罪って言われたらそれでいいですよって。覚せい剤を撲滅すればいいんで、俺は」と反論。改めて経緯を聞かれる中で「(人物が)逃走したんで、ある程度の実力行使はしますよ、当然」と説明した。
警察官から「それはどういう権限を持ってやってるんです?」と質問され、「覚せい剤所持の現行犯じゃないかなと思ったから」と答えると、「『思ったから』ってこと?」と問い詰められた。その後、中島さんとの言い合いが続く中、警察官は「あなた達、職務質問をする権利...(中略)確認は我々がしますよ」などと説明した。
拡散した動画に対し、「こういうのはもう動画にするためのネタに利用されてるから私人系はなくなって欲しい」「警察官になればいいじゃん」などと、私人逮捕するYouTuberに批判的な声が上がっている。