カタログ販売される小学校教材の裁縫箱などで親しまれてきた「ドラゴン」の絵が、Tシャツやスマホケースといった形でグッズ展開されていたとしてX(ツイッター)で「こんな所で生きていたとは......!」「一周回って欲しい」と話題になっている。
キャラクターを手がけたサンワード(大阪市)は取材に、大きな収益を期待するというよりは「楽しい時間のきっかけになれば」との思いで発売に至ったと明かした。
「過去、ドラゴン裁縫箱を使っていた大人たち」
話題になっているのは、サンワードのキャラクター「LOURD LEGER(ルールレジェ)-BLACK DRAGON-」が描かれたグッズだ。青いモヤを背に吠えるようなドラゴンの絵で、オリジナルグッズの制作・販売が出来る通販サイト「SUZURI」で販売されている。
Xでは2023年10月13日に拡散されたところ注目を集め、「こんな所で生きていたとは......!」「ああ懐かしい。裁縫セットも習字セットもエプロンもドラゴンにしていたあのころ」「一周回って欲しい」といった声が広がっている。
サンワード広報は17日、グッズは2020年から販売しているとJ-CASTニュースの取材に答えた。このような狙いを明かす。
「ターゲットは主に『過去、ドラゴン裁縫箱を使っていた大人たち』で、大きな収益を期待するというよりはむしろ皆様にドラゴンを思い出して頂くとともに、同年代の話題として思い出話に花を咲かせたり、ネタにしたりという楽しい時間のきっかけになればという思いでした」
発売から3年間は「たまーにぽつりぽつりと購入いただく感じだった」というものの、「今回Xにて話題に上げていただいてからは多くの方にご購入いただきました。本当にありがとうございます」と喜ぶ。SUZURIにおいてTシャツやスマホケースの売れ筋にもランクインしたという。
「初代のドラゴン」20年以上前に誕生か
ドラゴンをモチーフとする数々のデザインを生み出してきたサンワード。
「おそらく初代のドラゴンであろう」ルールレジェシリーズは2001年に誕生したようだと述べる。デザインを担ったスタッフは現在在籍しておらず、社内データベースの調査に基づく。裁縫セットから始まったといい、次のとおり説明する。
「当時、男の子向けならばスポーツ柄が主流だった裁縫セットですが、メーカーの新学社様より『ドラゴンなどはどうか』という提案を受け、それに応える形で制作したのがきっかけと聞いております」
「現在のようにコンパクトなポーチ型ではなく大きめのプラスチックケースが主流で、蓋の全面に大きくドラゴンがプリントされておりました」と振り返る。その後はエプロンやクッション、ナップザックなどが展開された。
今でも一部商品は公式サイトのカタログに掲載されており、「本当にたまーーに、ルールレジェの初代のクッション教材をご購入頂くことがあるようです」。
グッズ化をめぐっては、ドラゴンシリーズ全体に関するメディア取材を受けた際に、「そういった取材をお受けするのが初めてだったこともあり、何か弊社でも記事を盛り上げられないかと考え、記事の公開に合わせてLINEスタンプやグッズの販売を開始した」という背景がある。
「ドラゴンデザインのご提案は続けてゆきたい」
Xでは、「家庭科のドラゴン」という単語で一時トレンド入りもしていた。「話題にして頂けることにはひたすらに感謝しかありませんし、弊社のドラゴンに『見覚えがある』と言ってくださる方が多くいらっしゃるのは本当に嬉しいことです」と喜ぶ。
「ただ教材界におけるドラゴンブームの時代は、他社様も次から次へと色々なドラゴンを打ち出していらっしゃいました」とし、下記のように伝えた。
「『家庭科のドラゴン』という単語を多くの方がピンとくる共通認識にまで押し上げたのは、弊社だけでなく多くのメーカーさん、デザイナーさんの努力の結果だと思っています」
ドラゴンシリーズの今後の展望について、教材に関してはメーカーの意向もあり決められないとしつつ、「弊社としましては変わらずドラゴンデザインのご提案は続けていきたいと思っております。流行のデザインとドラゴンをいかに融合させるかが課題です」。
一方でグッズに関しては「正直、こうして話題にして頂くまでは特に何も考えていなかったのですが...」と述べるも、「せっかくなのでXでの皆様の反応や要望などを参考に、種類の拡充などできれば」との思いだ。