巨人戦力外の中島宏之、獲得は「覚悟が必要」 「残り72本」かえってネック、可能性は2球団か

   プロ野球巨人の中島宏之内野手(41)が2023年10月13日に戦力外通告を受けた。中島は通算1928安打で2000安打まで残り72本に迫っており、スポーツ紙の報道によると現役続行の意思を見せているという。セ・パ両リーグで20年間プレーした中島獲得に名乗りを上げる球団はあるのか。J-CASTニュースは巨人、西武などでコーチの経験を持つ橋上秀樹氏(57)の見解を聞いた。

  • 日本代表としても活躍した中島選手(写真:アフロ)
    日本代表としても活躍した中島選手(写真:アフロ)
  • 日本代表としても活躍した中島選手(写真:アフロ)

「実績がある選手だからこそ軽率に扱えない」

   巨人5年目の今季の出場は8試合に留まり5安打で本塁打、打点ともにゼロに終わった。移籍2年目の20年は100試合に出場し打率.297、7本塁打29打点を記録しリーグ2連覇に貢献したが21年以降、徐々に出場機会が減少していった。

   中島は00年ドラフト5位で西武に入団しチームの主軸として活躍した。12年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使してオークランド・アスレチックスと契約。米国では2年間プレーするもメジャーリーグに昇格することなく14年オフにオリックスに移籍し、18年オフに巨人に入団した。

   橋上氏は中島の移籍に関して2000安打が足かせになる可能性があると指摘した。

「代打を必要としているチームであれば興味はあると思います。ただ獲得するのならば2000本安打まで面倒を見る覚悟がないと難しいと思います。あと72本が足かせになる可能性はある。あれだけの実績がある選手だからこそ軽率に扱えない。成績が残せなかったから1年で戦力外ということはなかなかできない。今の状態で考えるとフル出場が難しいので、最低でも2年はかかるでしょう。そこまで面倒を見る覚悟がある球団ならば手を挙げると思いますが、かなりハードルは高いと思います」

   そして「かなり可能性が低いとは思いますが」と前置きした上で、「可能性を探るとなれば西武か楽天になると思います」とした。

「楽天ならばファーストを守る可能性もある」

   中島は西武に01年から計12年間所属し、現在GMを務める渡辺久信氏(58)が監督時代に米国に渡った経緯がある。橋上氏は西武の現戦力を分析しながら移籍の可能性に言及した。

「西武にはベテランの中村(剛也)選手と栗山(巧)選手がいる。若い選手が出てきているなかで中島選手が加入した場合、扱いにくい存在になってしまうかもしれません。今季はチームの成績が良くなかったので、その点をどう考えるか。渡辺GMに中島選手への思い入れがあれば、中村選手や栗山選手がいるけれども覚悟を決めて獲得する可能性はあるでしょう」

   西武は19年オフに中日から松坂大輔投手を獲得した。松坂は06年オフにポスティングシステムを利用して西武からボストン・レッドソックスに移籍。その後ニューヨークメッツ、ソフトバンク、中日を経て古巣に復帰した。21年シーズン限りで現役引退した。

   また、楽天に関してはヘッドコーチを務めた経験から中島獲得の可能性に言及した。橋上氏は、楽天がメジャーリーグを経験した選手を積極的に獲得した過去があると指摘。中島はメジャーリーグの経験はないが、米国でプレーした経験が評価される可能性があるとした。楽天は10年に藪恵壹投手を、11年には松井稼頭央、岩村明憲の両内野手、13年には斎藤隆投手を獲得した。

   橋上氏は「楽天ならばファーストを守る可能性もあると思います」とし、「来季の補強がどうなるか分かりませんが、右バッターが手薄だという状況は変わっていないので2000本安打を度外視して代打要員、外国人選手が外れた場合のDH、もしくはコンディションが良ければファーストのスタメンというところまでが考えられる」と分析した。

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