「技を盗め」は時代遅れ?後進育成めぐり議論 「経験の言語化は意外と難しい」の声も

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異例の早さで大会優勝した布団職人の例

   「技を盗め」というアプローチを用いなかったことで、後進育成の大きな成果を生んだ実例もあります。

   ある布団職人が先代の父親から決して「目で盗め」と言われることなく、最初から丁寧に技術を伝えられた結果、布団づくりの大会で業界としては異例の早さで優勝を果たした、という逸話がXで拡散されました。

   こちらは、名古屋市にある「丹羽ふとん店」の5代目の丹羽拓也氏のお話。丹羽氏は、とある経営者インタビューでも、先代から受けた手ほどきを振り返って「技術の基盤を身に着けるまでは、『盗め』という方針よりも『細かく教える』方針の方がよいと思います」と語っています。

布団作りの職人さんが息子さんに「目で盗め」とは言わず最初から技術を丁寧に教えた結果→技術はしっかり伝えた方がいいと思った→様々な意見 - Togetter

   この話を受けて、Xユーザーからは「職人の仕事の到達点は何十年もかけて身につけた技を次の世代に短時間で継承することにある」「伝承法も進化してるということですな」といった反応が。一方で、手取り足取り教わったものの、実を結ばなかったという実体験とともに「教えられる側の熱意・気質も大事では」とする指摘もありました。

   Xで取り上げられる「技を盗め」に関する話題を見ると、技術の継承や教育の在り方として疑問を唱える反応は少なくありません。一方で、単純に「時代遅れ」「非効率」といった言葉で切り捨てることも難しい領域であることが分かります。

   言葉で伝えにくい技術の存在を認めつつも、それらの技術をどのような手段で伝承していけばよいのか。引き続き議論が盛り上がりそうです。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

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